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2010年7月10日 (土)

沖縄と口説(くどぅち)

 沖縄民謡のジャンルのひとつに「口説」(くどぅち)がある。普通、沖縄島唄の歌詞は、たいていが琉歌である。大和の和歌は「七五語調」で作られているが、琉歌は「八八八六」で作られる。でも、この「口説」は七五語の歌詞だ。だから、なんかのりがよい。それになにより「口説」は、メロディが決まっていて、シンプルである。だから、七五調で歌詞をつくればなんでものせて歌える。いまでいえば、ラップのような感じだ。たいてい一〇番くらいまで歌詞があり、これで一つの物語を歌える。

 民謡には「上り口説」「下り口説」「四季口説」などがある。「上り」とは、琉球から薩摩に船旅をする情景を歌う。「下り」では、逆に薩摩から琉球に戻る情景が歌われる。琉球は薩摩に侵攻され、支配されていたので、薩摩tとの往来は多かった。

 「高平良万歳」(たかでーらまんざい)の「道行口説」という唄は、「親の仇を討たんと 万歳姿に身を変えて 棒と杖に太刀を仕込み」(歌意)というように、親の仇を討つ物語がテーマである。万歳とは、お笑いの万歳ではなく、乞食のような存在のことである。サークルで歌っている。

 これらの民謡は琉球王朝の時代の古い曲だが、この「口説」は現代にも生きている。戦後、米軍に占領され、土地を基地のために強奪された伊江島の島民が、その窮状を本島の人々に訴えるために、作ったのが「陳情口説」という。本島各地を行進して訴えた。

 先日、アメリカ独立記念日の7月4日、米軍普天間基地の前で、女性たちが座り込んで抗議している様子がテレビで放送された。そのとき、なにか歌いながら訴えていた。よく聞くとやはり、普天間基地を撤去してほしいという思いを、「口説」にのせて歌っていた。

 ちなみに、いま「命(ぬち)口説」という唄を歌っている。ラジオのパーソナリティーであり作詞家でもある上原直彦さんが作詞した曲だ。11番まである。沖縄戦を歌っている。艦砲射撃が雨あられと降りそそぎ、生まれ島は火の海、火の山となった、命一つひっさげて島中を逃げ回り、あのガマ、このガマと隠れた、戦争を起こしたのは何のためか、誰が始めたのかと問いかける。さらに、戦争が終わり平和の世を迎えたと思ったのに、あれこれ危ういことが果てしなく起きる、幾年月が経とうとあの戦争のことは子や孫に語り継ぎ、決して忘れてはならない、命口説。沖縄戦の始まりから終わりまで、県民の味わった惨状と苦痛、思いが「口説」にぎゅっと込められている。

 戦後65年のこの年に歌ってみて、改めてスゴイ唄だと思う。 沖縄の思いを込めて訴えるのには、「口説」はとても有効であり、今も生きているし、これからも時代とともに生きていくだろう。

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コメント

「命口説」は何度か聞いたけど、確かにすごい歌詞ですね。小説でも詩でもないのに、沖縄戦の悲惨さや平和であらねばならぬという心のほとばしりみたいな部分まで、仔細に描写されていますね。オレンジレンジのラップも及ばないかも。サークルではやらないのですか?この間温泉につかっていたらオバーどうしがゆんたくしてて、すー聞きーしたところ、一人は戦争のときまだ3歳、もう一人の年のいっているオバーは15歳だったそうですよ。してから、その15歳だったっていうオバーが、「蛍光灯がチカチカするといまでも焼夷弾に見えて、あの光景を思い出すから嫌だ」ってしきりにいうわけ。3歳だったオバーは「あたしは小さかったからなんにも覚えてないけど、ひもじかったのだけはつらかった」って言いあってたさー。オジーやオバーは戦争のことを思い出す事とか唄とか話とか、避けたいのかね~(* ̄ー ̄*)

 おじい、おばあはみんな辛い過去を背負って生きてきたんですね。でも、どうしてもあんな戦争を繰り返してはいけない、という思いから、いままで語っていなかった人が、口を開いて体験を語る例も増えているよね。

ウチナンチューの「反戦」の意志表示はこわだかでなく胸に迫ってきます。
柔よく剛を制す-“さる勢力”に教えてやりたいですなあ。

できることなら歌そのものも聴いてみたい!

 先日、東京から沖縄に見えた来客には、「命口説」を聞いてもらいました。歌う側も、その歌詞に気持ちが入ります。「いかに物言やん 草木やてぃん 命あるたみし 焼かりりば アキヨアキヨ(ああ、あわれ)とぅ 泣かなうちゅみ」。胸にジーンときますね。

レキオアキアキさん、ミヤギのツブヤキさんに、「命口説」の歌詞、ファクスで送ってあげたら、内容だけでもわかってもらえるんじゃないんですか?あれは聞くと、うちなーぐちなのでわかりにくいけど、歌詞は漢字で書いてあるので、読んでもらった方がわかりやすいんじゃないですか。
ウチナーンチュの「反戦」の意思は声高ですよ!ミヤギのツブヤキさん。「俺が俺が」ではないけど、言うべきことは言うべき時にはっきり意思表示してます。ψ(`∇´)ψ

いくぼーさん
「口説」が声高でないと思ったのは、歌詞は主張がはっきりしていても曲調は哀調をおびているのではないかと思ったからです。失礼しました。
でもなにはともあれ「百聞は一見にしかず」、また「百聞は一聴にしかず」--歌詞を読み、歌そのものを聴いてみないことには話は進みませんね。
なにかいい手はないものでしょうか?

ミヤギのツブヤキさん 
 「命口説」の歌詞はアップしました。見にくいかもしれませんが、だいたいわかるのではないでしょうか。
歌詞はウチナーグチなので、歌意がわかるようにも訳した文を添付しました。
なお、「口説」は哀調を帯びたメロディではなく、歯切れよく歌う感じです。「口説」は全部が同じ旋律なので、「ユーチューブ」では「上り口説」なんか見れます。このメロディに、歌詞をのせて歌うと思えば、だいたい感じはつかめますよ。

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