アメリカ生まれの沖縄育ち
「アメリカ生まれの沖縄育ち」というキャッチフレーズがある。というのは、本社はアメリカだが、戦後の米占領下で沖縄に進出し、沖縄で生産をしていまでは、県民の間にすっかり定着している商品がいろいろあるからだ。お中元にこれをうたい文句にしているのは、「ブルーシールアイスクリーム」。沖縄名物の紅芋や黒糖などのアイスもある。
ハム・ソーセージの「沖縄ホーメル」も同様だ。沖縄の豚の三枚肉を煮たラフティーや軟骨ソーキ(あばら骨)を煮たものなど豚肉料理や、中味汁、イナムドゥチなど沖縄独特の汁物など、レトルト商品がスーパーに並んでいる。
ファストフードは日本より早く沖縄に進出した。A&Wはその代表格だ。なんといっても「ルートビア」なる飲み物は、沖縄でなければ飲めない。コーラでもない、ビールでもない、不思議な味である。
そういえば、民謡ラジオ番組で、「ホーメルでこんにちは」というのがある。民謡歌手の盛和子さんがゆんたく(おしゃべり)しながら歌う。息子でやはり民謡の「のーりー」も登場する。10分ほどの短い番組だが、毎週月曜日に、どこかのスーパーから生放送をする。そして、そのあと火曜日から木曜日まで番組を収録する。ゲストで必ず民謡歌手がでる。番組収録後は、ミニ民謡ショーがある。先日も女性に人気のある田場盛信さんが出た。近くのスーパーなので見に行った。
この番組は、クイズに答えると、必ずホーメル商品をくれるので、また別の人気がある。いつもおじい、おばあが詰めかける。いま夏休みだから、先日はワラバー(子ども)が前列に陣取っていた。名物は、番組の最後にはカチャーシーを踊ること。踊れば全員に、ホーメル商品をくれる。「のーりー」がカチャーシーの民謡を何曲もたて続けに演奏する。もう、呼びかけなくてもすぐに、おじいもおばあも、子どもたちも踊りだす。
私たちも、ついいつの間にか踊りだす。別にホーメルが欲しいわけじゃない。カチャーシーになれば、踊るのが当たり前。それになじんできただけである。
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コメント
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写真説明をちょっとぐゎーしとこうねえ。緑色のエプロンをしているねーねーは「沖縄ホーメル」の「広報」担当の人で、毎回月曜の収録時に登場し、番組で「今週のホーメルお勧め商品」を説明しますね。聞き手は盛和子さん。「ぐすーよー、くり、おいしいホーメルのウインナーんかい買うてそういびーんたい」とか答えるわけですね。うちなーのワラビンチャーは民謡番組の収録なのに、最前列に陣取って、カチャーシーまで激しく踊りますよね!もう、幼稚園児からですよ。まさしく「子どもからおじい、おばあまで」。
「アメリカ生まれの沖縄育ち」の代表格は、コカコーラもそうですね。沖縄戦後、収容所でコップに使われたのは、コーラの瓶です。上半分切って、切り口をやすりでなめらかにして、コップにしました。南風原文化センターにたくさん展示されていました。「こんばんは仲地昌京です」で、実際に仲地さんがコーラ瓶コップを作った体験を話していました。うちなーはアメリカーむんがいつのまにか「県産品」になっちゃったりして、まんちゃまんちゃしちゃって、まさしくチャンプルー文化ですね!(^^♪
投稿: いくぼー | 2010年7月31日 (土) 14時48分
「ホーメルでこんにちは」でこれまでもらったのは、ランチョンミートとコンビーフハッシュ。これらもすっかり、ウチナー料理の定番食材になっているね。でも、コンビーフハッシュは、いまいちなじめないなあ。
投稿: レキオアキアキ | 2010年7月31日 (土) 14時58分
セロリやレタスやトマトやコーンなどの「アメリカー」用に作らされた野菜は「アメリカ生まれ沖縄育ち」っていえるんでしょうかね?
ほかにスーパーに並んでいるのは「エゴー」とか「A1ソース」とか「キャンベルスープ」とか、まだまだたくさんありますね!沖縄の牛乳が1パック1ℓじゃなくて946mlなのも、アメリカゆーの影響です。あと洗剤で「ダウニー」なんかもあります。
探してみるときりがないですね!
投稿: いくぼー | 2010年8月 1日 (日) 10時46分
トマトやトウモロコシは、アメリカでなくても、もともと作っていただろうけれぼ、コーンの缶詰がスーパーでもやたら目につくのは、やっぱアメリカーの影響でしょう。それにしても、野菜直売所などで、セロリが大きな株のまま、どーんとならべて売られるのには、ビックリしたね。それも100円、150円とか安いし。
投稿: レキオアキアキ | 2010年8月 1日 (日) 11時30分