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2010年9月16日 (木)

子どもに人気がある「沖縄のホームソング」

 「沖縄のホームソング」が作られて、琉球放送で流されている。2007年4月から始まったので、もう3年を超えた。それを収めたCDは「その6」まで発売されている。昨年のレコード大賞企画賞をもらった。ホームソングは、主に子どもたち向けに作られていて、いわば今風のわらべ歌でもある。そこには、沖縄の民俗が色濃く反映していて、さすが沖縄ならではの歌詞である。

 いま歌われているのが「シチグワチウートートゥ」という題だ。つまり、「七月の祈り」という意味だ。7月とは、旧暦7月15日、旧暦のお盆がテーマである。歌詞はこんな感じである。

 「♪うんけーじゅーしー お供えしたら ご先祖様が帰ります ご先祖様にウートートゥ 命のバトンをありがとう 感謝をこめてウートートゥ ぼくらをお守りくださいね」。「うんけーじゅーしー」とは、旧盆の「お迎え」の日につくる「炊き込みご飯」のような料理だ。それをお供えして、先祖の霊を迎える習わしだ。そして、命のつながりに感謝する。

 作詞した池村真弓さんは、歌にかけた思いをメッセージでこうのべている。

 「今ある命は、ご先祖様から代々受け継いでいただいたもの。お盆はその感謝の気持ちを改めて確認する日。そして家族親族と触れ合える楽しいイベントだと思っています」。

 子どもを対象にしたホームソングで、このような旧盆をテーマにした歌なんて、大和ではもう考えられないだろう。でも、沖縄では、この歌詞にあるように、お盆はとっても大切な行事である。ご先祖様に「命をバトンをありがとう」と感謝するこの気持ち。かつては、日本のどこでもそうだったのではないだろうか。沖縄には、古いよき習慣、民俗が残っている。それだけでなく、こんなホームソングにもなって歌われている。それに、この歌は、テンポもよく、いま子どもたちにとっても人気がある。ホームソングのなかでも、ヒット作になりつつあるようだ。

 沖縄のホームソングは、1960年代にも作られた。名曲「芭蕉布」や沖縄の元祖食べ物ソング「ちんぬくじゅーしー」(里芋の炊き込みご飯の意味)、私もいま弾けるようになった平和の島唄「平和の願い」など、数々のヒット作が生まれた。32曲をCD2枚に収録した復刻版が発売されている。このように、ローカル放送局で、たくさんのホームソングを続々作るのは、スゴイことだ。その土台には、それだけの力量を備えた作詞家、作曲家、歌い手とそれを支えるリスナー、県民がいるということだ。他の県で真似ができるだろうか。やっぱり「芸能の島」・沖縄ならではの姿がここにもある。

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コメント

「シチグヮチウートートゥ」の2番の歌詞の方がもっと沖縄のお盆の風景を描写しているようですよ。「お盆の日には いつも逢えないニーニーとネーネーがお土産持って帰ります おじいが三線弾き出せば おばあが手踊り踊りだす ご先祖様にウートートゥ 家族の笑顔をありがとう 感謝を込めて祈ります 来年もお越しくださいね」とかいう内容です。子どもによく歌われているのは、この歌のハヤシの「ポンポポンウートートゥ ポンポポンウートートゥ」という弾んでいるリズムのところみたいですよ。
「ちんぬくじゅーしー」は、私は大学の「ウチナー口入門」で習ったのが出会いだったので、沖縄に古くから伝わる童謡だと思ってました。今復刻版CDが発売されていて、そのCM聞くまでは地元民放が発信源だったとは知りませんでした。
「沖縄のホームソング」にはそのほかにも「大綱挽き」「旗頭」「エイサー」などの沖縄の行事を歌った歌がたくさんありますね。
これはNHKの「みんなのうた」の沖縄版みたいなものですね。

 2番の歌詞面白いですね。1番は「うんけー」、お盆の入りに当たる「お迎え」をうたっています。2番はさらに、「うーくい」、家に迎えた先祖の霊を「お送り」するするところまで描かれていますね。
 そういえば、先日見た石垣の「アンガマ」の時、あの世から来た仮面をかぶったご先祖さま一行が、家々で芸能を披露して帰るとき、それを見物していた人たちが「ありがとうございました」とお礼の言葉をかけていたのが印象的でした。これは、本物の旧盆行事ではなく、伝統芸能として披露する場だけれど、でも「ありがとう」と先祖の霊に向かって話しかける様子を見て、「ああ、こういう気持ちが自然に出るんだなあ」と改めて感心したね。
 「ちんぬくじゅーしー」の歌詞は、沖縄の庶民の暮らしが丸ごと歌われていて、民俗学から見ても、とっても興味がある歌詞ですね。でもそのわりに、料理としてのチンヌクジューシーを、いまではあまり食べない、ウチナーンチュでもこの料理を知らない人もいるそうですが、不思議ですね。

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