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2010年9月30日 (木)

中国からの冊封使と尖閣諸島

 いま日中間で問題になっている尖閣諸島は、中国と琉球の交流の歴史を見ていると、大事な役割を持って登場する。というのは、琉球王国の時代、国王は500年間にわたり中国皇帝に臣従し、皇帝の派遣する冊封使(さっぽうし)から正式に琉球国王として認証を受けていた。この冊封体制のもとで、琉球からは皇帝への朝貢と交易のため、毎年のように東シナ海を渡っていた。危険な航海だった。その時、航海の目印になったのが、尖閣諸島である。中国へ渡る船は、那覇港を出ると、慶良間(けらま)諸島、久米島、さらに尖閣諸島を目印にして、福建省の福州へと航海をした。

 逆に、中国側の冊封使の乗る船は、福州を出ると、尖閣諸島を目印に進み、さらに久米島、慶良間、那覇港への航海してくる。だから、冊封使が帰国後に書いた報告書のような『使琉球録』などの文献を読むと、尖閣諸島を過ぎて「古米島(久米島のこと)を見る」などと書かれている。また、琉球への航海の針路を記す際にも、尖閣諸島を目印にすることが書かれている。明、清では、尖閣諸島とは呼んでいない。ただ、冊封使の報告に、尖閣諸島のことが登場するからといって、それが中国領だったことを意味するものではない。中国領だとも明記していない。それに、琉球側は、もっと頻繁に航海していたので、尖閣諸島のことを詳しく知っていたのは確かである。琉球でも、中国でも古くからよく知られた島ではあるが、まだ誰も住まない無人島であった。

 冊封使録を翻訳し、これに精通している原田禹雄氏は『尖閣諸島ー冊封琉球使録を読む』で、冊封使録を根拠に中国の領土だと主張する見解を厳しく批判している。「明代ならば、中国固有の領土であれば『大明一統志』の中に、きちんと記されている」「ところが尖閣諸島は⋯⋯記されていない」、清代の『清会典』などの文献にも、尖閣諸島は描かれていず、「清代を通じて、尖閣諸島は清国領ではなかったことは⋯⋯明白である」。

 明治政府が1895年に、閣議で決定したときも、尖閣諸島が無人島で清国の支配が及んでいる痕跡がないことを確認して沖縄県に編入したという。

 面白いのは、1920年(大正9年)、福建省の漁民が遭難し魚釣島に漂着して救護されたとき、当時の中華民国在長崎領事が当時の石垣村長らに感謝状を贈っている。その中で「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と記し、尖閣諸島が日本領土であることを確認していることだ。

 門外漢が、尖閣諸島の問題に深入りするつもりはない。ただ、中琉交流史を学んだ立場から、尖閣諸島の問題に、少し関心があっただけである。

 なにより困ったことは、この問題が起きてから、中国から沖縄に旅行するチャーター便が急にキャンセルが相次いだことだ。中国からの観光の行方は、沖縄の今後にとっても大きな影響を及ぼすだけに、県民も心配している。尖閣諸島の領土問題は、明確にしなければいけないが、日中の未来を見据えて、問題を早く解決してほしいものである。

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コメント

尖閣諸島問題で、一番初めのツアーキャンセルは、ジャンボツアーズの、沖縄中国間の双方向観光ツアーで、急きょ中国側から一方的にキャンセルされてきました。中国側から130人、その飛行機に乗って沖縄側からも130人中国に旅行に行く予定だったそうです。その行き先が福建省だというのだから皮肉なもんですね。あ、四川にも行く予定だったって言ってたなあ。明・清の時代は臣下にあった琉球から膨大な輸入品を得て巨万を築いていた時代だったから、別に尖閣諸島が固有の領有地でなければならない焦りみたいなものや、どうしても欲しいといった欲望はなかったんじゃないですか。

 こんな問題の影響で、中国からの旅行客がキャンセルになるのは、ホント困るね。沖縄は観光がメイン産業だけれど、政治、経済問題の影響をモロに受ける。9・11テロの時も打撃を受けたしね。
 琉球王国の時代は、尖閣諸島なんて目印にはなっても、誰も住まない、住めないし、自国の領土にしないから、無主の島だった。中国が領土だと主張しだしたのは、そこに海底資源があることがわかったから、1971年とつい最近のことだからね。それまでは、領土と主張はしていない。まあ、琉球王朝の時代、中国に行く「唐旅」は「死出の旅」のように思われる危険な航海だった。だから、中国に渡っていた人々や冊封使もまさか何百年かたって、航海の目印にしていた島々が、領土争いや政治問題になるとは夢にも思わなかったでしょう。

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