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2010年10月12日 (火)

永良部の子守歌

 沖縄の子守歌の不思議を書いたけれど、鹿児島県の沖永良部の子守歌を聞くことができた。とってもいい曲ですっかり気に入った。

 「♪眠れと言ったけど誰が泣けと言った 私が守をするから眠りなさい ヨーヒヤ童よ」「♪石の上に土を置いて 土の上に花を植えて 花が咲いたら わが子にあげよう」と歌う。歌詞はとても長い。奄美諸島の島唄は、裏声を使い、三線も技巧的で、大和の三味線に近い。沖縄の民謡とは、まるで歌も三線も違う。でも、沖永良部島や与論島などは、沖縄に近いので、島唄も沖縄に近い感じがあるそうだ。この子守歌も、メロディは沖縄の島唄に近いと思う。沖永良部といえば、「永良部百合の花」も、沖縄でもとても人気があり、よく演奏される。

 鹿児島の子守歌は。やはり大和の子守歌とは違うそうだ。「『日本の子守歌は、なぜあんなにも暗く悲しいのか』という問いかけが、しばしばなされる。だが鹿児島県の子守歌に限って、その問いかけは無用である。じめじめとした所は更になく、うたい方も一見ぶっきらぼうである」という。なぜだろうか。日本の子守歌も「江戸期の身分制確立までは、もっと愛情ゆたかなものではなかっただろうか。薩摩は総体的に貧乏であったため、他県のような貧富の差がなく、子守り奉公の習慣もなかったようだ」という。久保けんお氏が「鹿児島沖縄のわらべ歌」で指摘している。

 それ以上に、沖永良部島は400年前の薩摩の琉球侵攻までは、琉球王国だったし、沖縄本島とはすごく近いの、沖縄的の影響が強いのだろうか。でも、永良部の子守歌は、とても哀しい内容もある。「♪私を産んだ親は 産んだという名目だけで 雲や風になってしまったのか 行方が知れません」と歌う。

 この「永良部の子守歌」は「ユーチューブ」で見ることができる。その映像でみる風景は、赤瓦の家の集落で、沖縄とそっくりだ。まだ、沖永良部島には行ったことがない。一度行ってみたいものだ。

 

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コメント

薩摩は子守奉公はなかったんですか?貧しいところほど、あるような感じがしました。最近、子守歌に凝ってますね。(^^♪

 子守り奉公は、鹿児島では「なかった」というけれど、熊本の「五木の子守歌」はり奉公する守り子の歌ですから。同じ九州でも違うようですね。貧乏とはあまり関係ないかもしれません。八重山など人頭税で苦しめられたけれど、子守り奉公はないので。

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