離島は芸能も豊かだ
離島フェアー2010の見物の一つは、芸能のステージだ。毎年、行った時ときには芸能を楽しんできた。 離島の出身の民謡歌手はたくさんいる。多すぎて覚えきれないほどだ。
久米島出身者らのグループ「唄舞~い」は、ヒヤミカチ節などノリのよい曲を続けて演奏した。「♪ヒヤ、ヒヤ、ヒヤ、ヒヤ、ヒヤ、ヒヤミカチウキリー」と唄が流れると、もうじっとしてはいられない。踊りだす人が次々に舞台前に繰り出した。カチャーシーを舞い踊る。踊りだすと、歌う方も余計気合いが入るようだ。最後は、恒例の「唐船ドーイ」でにぎやかに歌い踊った。
この舞台で、離島の振興に功績のあった人に対する表彰があった。そこに、なんと西表島出身の若手歌手、池田卓(すぐる)君が表彰された。彼は、西表島でも、いまだ道路が通じていない、離島の中の離島といわれる人口50人ほどの船浮(ふなうき)の出身だ。島を愛する彼は、この地で「船浮音祭り」を企画・プロデュースして開いている。その彼個人と音祭りの実行委員会が団体で,それぞれ表彰された。なにしろ、この超不便は船浮に、池田卓ファンらが、沖縄本島はおろか、関西や全国各地から集まるからスゴイ。
ラジオ沖縄の民謡番組「民謡の花束 遊びでぃきらさ」の公開放送があった。当銘由亮(とうめよしあき)、新垣小百合の二人がパーソナリティであり、歌三線も披露する人気番組だ。
この番組の登場一番手も離島だ。宮古島の「hirara」さん(左写真の右側)。旧平良(ひらら)市の出身で、文字通り地元の地名を歌手名にしている。最初見た時は、絶対に南米あたりの出身かと思ったほど、日本人離れした容姿だ。
彼女が得意な宮古民謡の「かにくばた」「張水のクチャー」を弾いた。前者は、開拓の苦労を歌った曲、後者は、人頭税廃止をテーマに した曲だ。いずれもマスターしたい曲で、毎日練習しているが、早弾きで難しい。hiraraさんは、歌う前に、すでに見かけた。宮古の店の前をうろうろしていた。まだ独身女性かと思っていたら、なんと小さな子の手を引いていた。子育てしながら歌っているようだ。
右写真は舞台に見入る参加者。
左写真は、「民謡の花束」のDJでもある当銘(右端)、新垣(中央)らが「兄弟小節」を披露した。「一度出合えば兄弟、なんの隔てがあろうか」と歌う。沖縄の「肝心(ちむぐくる)」を歌っている曲だ。やはりテンポの速い曲だ。祭りには、ノリのよい曲が一番盛り上がる。
伊是名島からは、「尚円太鼓」が披露された。尚円とは、伊是名島の百姓の出身で琉球国王になった有名な人物だ。琉球を統一した第一尚氏の王統に代わり、第二尚氏の王統を打ち立た。その後、廃藩置県まで400年間にわたり琉球王国が続いた。
太鼓は、直径1㍍もあるような大太鼓をはじめ、大小の太鼓を力強く打つ。中学生を含めた若者中心の演舞だが、とっても勇壮だ。
番組の最後に登場したのは、神谷幸一、その弟、
玉城一美のグループ。神谷兄弟は、うるま市津堅島の出身。幸一さんは、民謡界の貴公子とか呼ばれていて、とても人気がある。
昼間は、神谷観光で津堅島と平敷屋港を結ぶ船の仕事をして、夜は沖縄市で、民謡酒場「花ぬ島」で歌っているという。
津堅島は人参の産地として有名。津堅島にかかわる民謡を歌った。その一つが「キャロットアイランド」。文字通り「人参の島」の唄だ。
玉城一美さんは、ソロでも歌っていて、「平和の願い」など、平和の島唄も歌っている。この日は披露されなかった。幸一さんは、いまの民謡歌手で指折りの上手さだ。神谷ワールドをたっぷり楽しめた。
というわけで、離島フェアーは芸能もたっぷり楽しめた。
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コメント
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尚円太鼓のときに地謡を、伊是名島出身のポップスアーチスト・伊禮俊一さんがやっていたでしょう。偉いですね。故郷を大切にして。舟浮ってホントに不便なところですよね。沖縄本島から行くには、まず石垣島まで飛行機で行き、石垣島から西表島に船で渡り、西表の船着き場から最終地点までバスに乗り、そこから船に乗り換えて舟浮まで、という具合。その不便なところの音祭りに人口の数倍の観光客が押し寄せるんだから、たいしたもんです。表彰物です。神谷幸一さんには聴衆やラジオのリスナーからいろんなリクエストが来ていましたが、「ちゅうや離島フェア。わした島ぬ唄やいびん」と津堅島の唄オンリーでしたね。ヤマトの人が作詞した「うるま音頭」を作曲、玉城さんが披露していましたね。それにしても私は座布団なしだったんで、お尻が痛くてたまりませんでした。カチャーシーは踊ったけど。「豊年音頭」だったんで、もうじっとしていられない!手が踊りだしてしまう!「唐船ドーイ」サイコー!来年もまた来ようね~。
投稿: いくぼー | 2010年11月30日 (火) 09時19分
伊是名島の尚円太鼓の地謡はたしかに伊禮俊一さんでした。歌手としてソロ活動をしているのに、太鼓グループの一員で出るのはホント郷土愛を感じます。三線と唄を聞いてすぐ、彼と分かりましたね。離島出身の人たちは、みんな郷土愛は強いですね。離島フェアーは、これからずっと那覇市奥武山でやってほしいですね。
投稿: レキオアキアキ | 2010年11月30日 (火) 13時26分