無料ブログはココログ

« 組踊は離島、村、字区でも上演される、その2 | トップページ | 組踊創始者・玉城朝薫の墓を訪ねる »

2010年11月21日 (日)

沖縄にカジノはふさわしくない

 沖縄の最大の産業と言えば観光である。いま沖縄にカジノを導入しようという動きが強まっている。現知事が、1000万人観光を目玉にして、その柱の一つにカジノ導入を進めようとしているからだ。すでに2007年から検討委員会を設置して、カジノ・エンターテイメント事業をを導入する場合の、課題と対応策などについて検討を重ねてきているからだ。いまたたかわれている県知事選でも、観光産業とカジノの問題が争点の一つになっている。

 でも、「沖縄にはカジノはまったくふさわしくない」というのが多くの県民の声ではないだろうか。沖縄への観光客は2009年、約565万人を数える。その観光客の大事な一部を担っているのは、修学旅行生である。昨年、沖縄を訪れた修学旅行生は、全国2458校から、41万2182人を数える。

 中高生らの沖縄への旅行は、とっても魅力があるし、学習にもなる。南島の青い海と空、サンゴと熱帯魚の海など豊かな自然がある。世界遺産になっている首里城はじめ城跡など歴史遺産と中国からの影響を受けた民俗と食文化も他県にない魅力がある。今回、ユネスコの無形文化遺産に指定された組踊など伝統芸能も独特の表情をもつ。さらに、悲惨な沖縄戦の戦跡と巨大な米軍基地の存在は、戦争と平和の問題を現地で直接見て、感じ学ぶことができる。これだけの観光資源、学習材料がそろっているところはないだろう。だから、観光客も修学旅行生も、増えてきたのだ。

 カジノといえば、刑法で禁止された賭博であり、犯罪行為である。当然、暴力団や外国人犯罪組織が関与してくることは、火を見るより明らかだ。外国で導入している国でも、売春行為がはびこるなど風俗も悪化する。どこから見ても、青少年への悪影響は避けられない。

 沖縄県民はいまでも、パチンコ・スロットなどがとても盛んで、メインストリートにデーンと大きな店舗を林立させている。パチ・スロ依存症に陥り、サラ金にはまり込み、借金漬けになっている人もかなりいる。その上、カジノができれば、賭博依存症やサラ金被害など、さらにひどくなることはもう目に見えている。

 カジノ・賭博の島に、修学旅行生が来るだろうか。修学旅行生は、あまり消費力がないように見る人もいるが、それは間違いだ。人数がまとまってくるだけに、観光にかかわる産業にとっては、とっても大切な旅行客だ。しかも、若い人たちは、修学旅行で受けた沖縄の印象と魅力は、強いインパクトを与えて、社会に出てからも、リピーターになる人がかなりいるだろう。そういう潜在力も持っている。

 日本の観光地では、温泉がとくに有名で、集客力も大きい。温泉地では、自然の景観や文化遺産など、観光の魅力がないところは、風俗的な営業で客を引き付けようとする。でも、自然など豊かな観光資源をもつ温泉は、そんな温泉のグレードを下げるようなことは避ける。魅力を最大限に生かすことに力を入れるという。私も、30年来、全国のかなり有名な温泉地を回る機会があったが、自分の実体験からその通りだと感じる。

 九州の由布院では、大型リゾート開発を進める案が出たことがあったが、乱開発を避けて、由布院らしい雰囲気を残しながら、映画祭や音楽祭を開くなど、由布院の魅力を最大限に生かすことに力を入れた。いまでは日本屈指の人気のある温泉保養地になっている。

 海外でも、ハワイは豊かな観光資源に恵まれ、世界のリゾート地になっている。でもカジノは入れていない。アメリカのカジノといえば、ラスベガスだが、砂漠の真ん中だ。ハワイにカジノを入れれば、観光地としての価値を低めることになるだろう。入れない選択は、賢明なことだ。

 県知事選では、現職候補は積極推進派である。前市長候補は、カジノに頼らない沖縄の魅力を生かした「沖縄型観光」をめざしている。両者の違いは、はっきりしている。

 観光資源に恵まれた沖縄で、もしカジノを導入すれば、観光客は増えるだろうか。逆に、先に述べた悪影響から、中高生の修学旅行はじめ、観光を避ける人が急増するだろう。沖縄を「米軍基地とカジノの島」に決してしてはいけない。

« 組踊は離島、村、字区でも上演される、その2 | トップページ | 組踊創始者・玉城朝薫の墓を訪ねる »

コメント

賛成です。カジノを導入すれば、暴力団もはびこります。でも温泉おばあは、海外旅行(とくに親族がいるハワイとかアメリカとか南米とか)にしょっちゅう行ってて、なかにはラスベガスによくいくっていうおばあがいるさ。以前タクシーの運転手は「カジノだけがある小島をつくり、自由には行き来できないように本島と遮断したような形でならいい」と言っていた。カジノ導入に敏感な県民と、そうでない県民とにまだわかれていると思う。カジノ反対の署名なんかもないし。現職候補があげる「年間観光客1000万人」という数字そのものにむりがあると思うなあ。ここ数年年間観光客数は500万~600万で推移しているでしょう。その数字を上げたいのなら、レキオアキアキさんが言うとおり、どう「観光に行きたくなる島」に沖縄にするかだと思います。文化的歴史的遺産の整備、環境の保全、やるべきことはまだまだあると思います。沖縄戦戦跡も知られていないところの整備・保全が進んでいないのに。そういうところに予算を投入すべきですね。

ラスベガスに行くおばあがいるとは驚きです。導入論者は、県民の入場を制限するとか、暴力団の介入を防ぐなどいろいろ言うけれど、もし導入されればそんなのは無力でしょう。取り返しのつかない社会問題を引き起こすでしょう。カジノを入れろと主張しているのは、県財界の一部で、自分たちが利益にあずかれば、後は野となれ山となれですから、まったく無責任ですね。

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 沖縄にカジノはふさわしくない:

« 組踊は離島、村、字区でも上演される、その2 | トップページ | 組踊創始者・玉城朝薫の墓を訪ねる »

最近のトラックバック

2021年11月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30