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2010年12月29日 (水)

正月はやっぱり「かぎやで風節」

091_3  沖縄の正月に三線で弾き歌う曲と言えば「かぎやで風節」(かぢゃでふうぶし)である。お祝いの席では、必ず最初に弾く。わがサークルでも、新年会では、この曲と「恩納節」(うんなぶし)「辺野喜節」(びぬちぶし)の3曲を弾く。曲にあわせて女性陣が踊る。
 「かぎやで風節」といえば、その歌詞は「♪けふのほこらしゃや なをにぎやなたてる つぼでをるはなの つゆきやたごと」 歌意は「今日のうれしさは 何にたとえようか ちょうど蕾でいる花が 朝露にあって開いているような気持ちだ」。
 はじめてこの曲の工工四(くんくんしー、譜面)を見た時は、「かぎやで」という「ひらがな」なのに、「かぢゃでぃ」と別の読み方があるので戸惑った。もうそれにはなれてきた。では、「かぎやで風」とは何を意味しているのか。これには諸説あるそうだ。
 ところで、正月に歌う時には、正月用の別の歌詞で歌う。
 「♪新玉の年に 炭と昆布かざて 心から姿 若くなゆさ」。歌意はわかりやすい。「新しい年を迎えて 炭と昆布を飾って 身も心も若くなるようだ」。右写真を見て下さい。「かぎやで風(お正月歌詞)と書いてある。
 これは、那覇市の牧志公設市場の前のお店だ。29日に市場に行くと、正月の飾り、食品など、年末年始用品の売り出しでにぎわっていた。

 この歌詞を見て、「おや?」と思うのは、炭と昆布を飾るということだ。これは「火の神」へのお供え、お正月飾りとして、炭を昆布で巻いたものを飾る習慣があるという。
094  なぜ、炭と昆布なのだろうか。昆布は日本では昔から「よろこぶ」に通じるので、縁起が良いとされている。でも炭と昆布の取り合わせは、沖縄ならではの風習だ。
 「炭(タン)と昆布(コンブ)」で、「たんとよろこぶ」に通じるので、縁起が良いとされているそうだ。
 市場で、その実物を見た。丸い炭を7,8㌢の長さに切り、それを昆布を湿らせて巻き、その上から、「寿」と書かれた赤い紙を巻く。これを飾りにする。炭だけでも売っている。右下写真がその実物である。左写真は、お店のおばちゃん。炭と昆布巻きの写真を撮っていたら、さっそく上の琉歌を書いたボードを取り出して、「はい、この琉歌を撮ってね。お正月はこれだだから」。ついでに写真お願いすると「はいはい、どうぞ」と快くOKしてくれた。 
 ついでに、炭と昆布巻きの隣には、鏡餅を売っているが、これは「火の神」専用だ(左下写真)。少し小さい。仏壇は別にある。「火の神」専用の鏡餅があるのは沖縄ならではだろう。
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 市場で、これらを見て、ようやく正月用の琉歌の持つ意味が、よくわかった。
 ここまで書いてきたが、「かぎやで風節」を、正月、祝いの席などで演奏するのは、沖縄でも本島と周辺だけだ。石垣島や宮古島では、別の曲がある。
 石垣では、有名な「鷲の鳥節」がある。「バスィヌトゥルイブシ」と読む。この唄は、文字通り正月の情景を歌っている。
 「♪綾羽ば 生らしょり ぶぃる羽ば 産だしょり バスィヌ トゥルィ ヤウニ ガユナバスィ」「♪正月ぬすぃとぅむでぃ 元日ぬ朝ぱな ハヤシ」「♪東かい 飛びつぃけ 太陽ばかめ 舞いつぃけ ハヤシ」。八重山方言はまた難しいので、読み方はここでは省略する。
 歌意は3番まで含めて、次の通りである。
「♪綾のように 美しい羽の鷲の子を生みなさり ふさふさした羽の鷲の子を 産みなさり 正月の朝 元日の朝もやのなかを 東の方に飛び立ち 太陽(ティダ)を冠のようにいただいて舞っていった」。
 情景が目に浮かぶような、見事な歌詞である。石垣では、新年や祝いの席などで、この曲を歌うのが恒例である。民謡であるが、なにか格調の高い名曲である。
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 宮古島では、これに代わるのが「とうがに」である。この曲の歌詞は、正月や結婚、出産祝いや夫婦相和、子孫繁昌、家運繁昌、慶事を祝う歌詞がそれぞれ、ちゃんとある。正月用だけ紹介する。
 「♪かぎ正月の参たりやど 大世や人ぱい 諸作物満作みるくゆがふ 年重びうて 八十八まうわりさまちよ」。これも、読み方は省略する。
 歌意は次の通りである。「♪めでたいお正月を迎えこの世とともに人も栄えて 農作物は豊年満作 平和で幸せな世の中よ 年齢を重ねて88歳までも 健康で長生きしたい」。
 今年も残りあとわずか。よい新年を迎えたい。「いい正月でーびる 若くないみそうちー」(よい正月ですね。お若くなられましたね)という新年のあいさつをしたいものである。

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コメント

写真撮るのにくたびれました。「たんとこぶ」は沖縄で何度も正月を迎えているけど、初めてみました。「火ヌカン」用の餅も、写真だけではただの鏡餅と違いがわからないので、やはり実際に火ヌカンにうさぎてあるところの写真があった方がいいですね。火ヌカンはわが家にはないので、開南の仏壇通りに行けば売っていると思いますよ。正月や祝いの唄は、沖縄広し、という感じで、各地で違いますね。石垣島の中心街にある市場本通りだったか、「アヤパニモール」だったか、商店街の入り口に立つと「バシヌトゥイ節」が流れるそうですよ。
ところで毎年正月は「元旦ぐらいはお稽古やめよう」と言って、三線を弾かないですよね。元旦に「かぎやで風」を弾いてもらったことがないと思いますが・・・。

 沖縄では、本島も先島も、正月に弾く曲、祝いの時に弾く曲と決まっていますが、これって大和では、そんな民謡は、ないでしょう。わが民謡サークルでは、祝いの場では必ず弾く古典の曲を、覚えたいというリクエストがあり、5曲毎回練習します。みんなめでたい曲です。沖縄は、めでたい唄、祝いの唄がとっても多いですよ。正月には、祝いの曲、5曲を弾いてみましょうね。

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