サトウキビの製糖シーズン始まる
サトウキビを刈り取り、製糖するシーズンにな った。わが家の近くの豊見城市に、翔南製糖(右写真 )がある。いよいよ原料の搬入が始まった。
サトウキビは、冬のこの時期に刈り取る。「ウージトーシ」という。「ウージ」はサトウキビ、倒すから「トーシ」という。サトウキビ農家にとっては、大変重労働の忙しい時である。「ウージトーシ」のときは、集落の人々は共同で作業をした。「ユイ」、「ユイマール」である。お互いに助け合い、共同で刈り取るのだ。
この時期になると、人気あるGS(グループサウンズ)バンドの「SSカンパニー」のリーダー、真ちゃんこと、瀬底正真さんも、ラジオで「今日もウージトーシで大変でした」と語る。人気バンドといっても、居酒屋を営みながら、農業をやっているからだ。
車でドライブしても、ウージ畑は、あちこちで刈り取り風景が見られる。 なにより、ウージトーシがはじまると、道路をウージ満載の大型トラックが頻繁に走り出す。北中城から南のサトウキビは、みんなこの製糖工場に運び込まれるためだ。「すべての道は製糖工場へ通ず」と言わんばかりに、道路はもう「ウージロード」と化す。
左写真は、運び込まれるサトウキビだ。でも、これはまだ、積む量がなまちょろい。
もっとスゴイトラックが来る。荷台を板で囲っているが、積まれたウージは、荷台から完全にはみ出し、いまにもこぼれ落ちそうなトラックが走っている。来た、来た、来た!
右写真のトラックだ。荷台から大きくはみ出ている。このトラックが通り過ぎると、そのはみ出しぶりがいっそうよくわかる。左下写真。
よくこぼれ落ちないものだと感心する積み方だ。でも、実際にはかなり落ちる。このシーズンになると、トラックの荷台から、ウージがこぼれ落ち、道路に散乱することがしばしばだ。あちらでも、こちらでも、道路にウージが横たわる。誰も拾ったりしない。片付けもしない。このトラックも、どうやら無事に工場に搬入できた。右下写真。メデタシ、メデタシ。 ウージを降ろしたトラックは、また出てきてウージ畑に向かう(左下写真)。
製糖シーズンには、3万2千台のトラックが行き来するそうだ。ピストン輸送のようになる。だから、道路もしばしば渋滞する。キビ生産量は、前年を上回る見通しだという。
工場では、これを圧搾してサトウキビの汁を取り出し、それで製糖する。工場は、来年3月20日まで、年末年始もフル操業らしい。合計では、13万3千トンのサトウキビが搬入されて、1万6千トンの砂糖を生産する見込みだという。前年を4千トン上回るという。かつては、製糖工場が3社あったけれど、生産量も少なくなり、いまはこの工場だけに統合されたそうだ。
工場の煙突に何か、書いてある。よく見ると、二つの標語が書かれていた(右下写真)。「さとうきびは沖縄の宝もの」
「砂糖は脳のエネルギー源」とあった。
なるほど、サトウキビと黒糖は、確かに沖縄の宝ものである。
この製糖工場は、野菜の買い出しに行くのに、よく横を通る。製糖がはじまったので、ウージを搾る時に出るのだろうか、甘ーい香りが辺り一面に漂う。「うーん、甘い香り、たまらん、たまらん」と思わず口に出る。
でも、その隣は、なぜか食鶏加工工場(右写真)がある。 こちらは、とても「ヤナカジャー」、いやな臭いが漂う。「勘弁してよー」と言いたくなる。
とくに、車ではなく、バイクで通ると、モロに「ヤナカジャー」がくる。でもすぐに、ウージの甘い香りの方に進むので、なんとか救われる。
これから春まで、製糖シーズンは続く。沖縄の風物詩である。
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コメント
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始まりましたね。嘉数のカジャー街道。サトウキビを煮詰めるとなんであんなにえもいわれぬいいカジャーがするんでしょうね。トラックから落ちたサトウキビを拾ってかじったっていう話、聞いたことあるなあ。離島フェアで、南大東のサトウキビから作ったラム酒おいしかったですよね。サトウキビはエライ!
投稿: いくぼー | 2010年12月24日 (金) 10時35分
甘い香り、たまらないですね。写真に写っているウージ満載のトラック、よくあれで荷崩れしないで走ってこれるなー。道路の落ちたウージは、早く拾えば食べられるけれど、車がその上を走ると、ウージも潰されるよね。サトウキビといえば、キューバのラム酒が有名で、前は飲んだことあるけれど、沖縄は南大東しか作らないねー。
投稿: レキオアキアキ | 2010年12月24日 (金) 10時41分