歳末の那覇公設市場を歩く
年末年始の買い出しと言えば、那覇市では伝統ある牧志公設市場。大型店がたくさんあるなかで、市場でなければ、という買い物もある。
長い行列ができていたのが、手打ちそばの店。沖縄ではあまり行列はない。でも、ここだけは別。そばの麺はどこでも売っているのに、よほど手打ちの評判の店だろう(右)。
買うのも、1人前とかではない。もう大きなビニール袋に一杯詰めている。
正月飾りもたくさんある。これも、普通の鏡餅などスーパーで売っているけれど、市場なら ではのものがいくつかもある。
稲穂の束(左)があった。これと、金色の米俵など飾りのセットもある。
なんといっても、沖縄ならではのものと言えば、「炭と昆布」。「たんとこんぶ」と読むので「たんと喜ぶ」に通じるので縁起が良いとされている(右下)。
「新しい年を迎え、炭と昆布を飾って心も体も若くなるよ」という願いをこめた琉歌が、一緒に張られている。炭だけでも売っている。 鏡餅も「火の神」(台所の神)の専用のものは、スーパーにはない(左)。
鏡餅のそばに赤い紙を巻いたものがあるので、何かと思えば、鏡餅を置く敷紙。「大和は白い紙ですが、沖縄は赤、黄色、白の三色の紙ですよ」とお店のおばさんが説明してくれた(右下)。
次は食材。やっぱり豚肉(左)。三枚肉、ソーキ(アバラ)、テビチ、中味(内臓)と山積みされている。大量に買うので、やはり市場がよいのだろう。とくに、中味汁、イナムドゥチ(沖縄風の豚汁)など、正月の定番料理は、市場で買うのがよい。だって中味だけ、こんなに多くはスーパーでは売っていない。大きな籠に中味がどさっとつまっている(右下)。
かまぼこも欠かせない。大和のかまぼこよりも、大きい。赤、白、それにカステラ
かまぼこが並ぶ(左)。
魚は、マグロやメカジキの天ぷら用の切り身が並ぶ。ハリセンボンは、正月とは関係ないだろうけど、写した(右 )。
カツオ節は、汁物の出汁用なのか、どーんと並ぶ。いつも市場では、並んでいるけど。いつもより多いのではないか(左)。
野菜類で、多いのは田芋(ターム)だろう。文字通り水田で栽培する。店頭で売られているのは 、里芋などとは違い、煮物にしないのが沖縄料理。店ではすでに茹でたものが売られている(右)。煮た田芋をすりつぶして、砂糖醤油で味付けしたから揚げや田楽で食べるという。これはまだ、わが家では調理したことがない。
ごぼうも煮物では定番だ。店の奥では、おばさんがごぼうの皮を削いでいた。泥つきごぼうとともに、皮を削いだ白くキレイなごぼうを売っている。
まだまだあるが、もう際限ないからここらで終わります。市場のみさなん、年末までご苦労さま!
« 正月はやっぱり「かぎやで風節」 | トップページ | 沖縄の新聞・元旦号は大晦日に配られる »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
「買い物はやっぱり市場でないと」というオバアやオババは多いですね。中味は確かに市場でないとたくさん買えないけれど、「調理する時は何度も下ゆでして臭みをとるのよ」と教えられたことがあります。それと「中味汁は他人の家のものは怖くて食べられない」と聞いたこともあります。なぜなら、きちんときれいに洗われていないかもしれないから。よくお腹壊すので、中味汁は自分ちで作らないと安心できないそうです。オキハムが中味汁のレトルトを売っているけど、その言葉を思い出しちゃうんですよね。
そば屋は毎年歳末には行列してますけど、なぜあの店なんでしょうかねえ。みつくら製麺所とか手打ちのところは他にもあるのにねえ。
かまぼこもヤマトのと沖縄のは違います。大きいだけじゃなくて、味も風味も違うと思いますねえ。ターンムは一度食べてみたいです。
投稿: いくぼー | 2010年12月30日 (木) 15時03分
中味汁は、まだ作ったことがないけれど、調理の仕方があるんですね。まあ、これはあまり作りたい気はしないけれどね。イナムドゥチは作りたいけれど、難しそう。沖縄の料理は、豚肉にしても、みんな手間をかけるよね。
そばの麺は、手打ちは少ないですよ。大量に作る製麺所では、できないから。手打ちは少ないから、あの店が人気あるのでしょう。でも市場は、やはり昔からの専門があって、お餅屋にしても、行事がある時は列ができるよね。
投稿: レキオアキアキ | 2010年12月30日 (木) 15時09分