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2011年2月15日 (火)

盛和子さんの「ホーメルでこんにちは」

 民謡歌手の盛和子さんは、情け唄を歌うと抜群の雰囲気がある人である(右下)。ラジオ沖縄で、なんと二つも番組を担当している。035 その一つが「ホーメルでこんにちは」。月曜から木曜まで昼に10分間流れる。いつも、県内各地のスーパーで月曜日午後12時50分から公開放送する。そのあと火曜から木曜日までの放送分を収録する。なぜスーパーでいつもやるかといえば、「ホーメル」がハム・ソーセージ、ポーク缶詰など「アメリカ生まれの県産品」を販売しているからだ。ウチナーンチュにとって、ポーク缶、コンビーフハッシュなどは、食卓に欠かせない。
 糸満市のタウンプラザかねひでサンプラザ糸満店で、公開放送があった。盛さんとラジオ沖縄の前仲美由紀さんのコンビでやっている。ウチナーグチのクイズや季節の話題をテーマにしたクイズがある。でも一番の聞きどころは、木曜日の民謡である。
 この日は、八重山出身で糸満市内に住む比屋根孝子さんが出演した(左下)番組収録は1曲だが、番組以外に演奏がいくつかあるのが聞きどころだ。
 比屋根さんは、八重山古典民謡保存会で学び、師範となり、八重山古典民謡研究所を糸満で開いている。沖縄では、なぜか民謡を教えるところを「研究所」と名乗る。舞踊も同じく「研究所」だ。これも不思議なところである。041

 比屋根さんは、八重山の「デンサー節」「安里屋ユンタ」を披露した。「デンサー節」は、教訓歌である。「安里屋ユンタ」は、八重山で歌われる原曲の方である。唄は、武富島の安里屋に生れたクヤマは幼い時から美女だった。村の助役、村長にあたる役人から賄女に望まれたが拒否した、という内容である。(但し、この歌詞は竹富ではなく、石垣島で歌われる内容である)。
 比屋根さんは、とても恰幅のよい方だ。歌も上手いが、三線の音色が味わいがあった。
 少し体を悪くして休んでいたが、回復してきたので、「盛先生から呼ばれてきました」と話す。
 盛和子さんは「夫婦船」(みいとぶに)を歌った。夫婦の愛情がテーマの曲である。
 盛さんは、芸能一家である。夫は吉田安盛さんで、ラジオ沖縄で「暁でーびる」(夜明けですよの意味)という民謡番組を、1986年からやっていた。でも、2009年12月に安盛さんが急逝した。その後、二男の「のーりー」と親子で番組を続けている。三男は、人気バンド「Dー51」の「YASU」という一家なのである。043
 吉田さんが亡くなられた直後、やはり「ホーメルでこんにちは」の公開放送があった。心配していたら、不幸があっても休まずに、きちんとつとめあげた。さすがプロ根性というか、気丈な方だと思った。
 「暁でーびる」は、月曜日から金曜日まで、毎朝5時10分から6時55分まで、2時間近い番組を、25年も続けているから、スゴイ!
 盛さんは、会話はすべてウチナーグチで話すので、正確には分からないところが多い。でも、前仲さんや集まったリスナーと話すときは、そこそこ分かる。037

  この公開放送は、民謡が聞けるとともに、もう一つ人気があるのは、クイズに答えたり、最後に恒例のカチャーシーを踊ると、ホーメル商品がプレゼントされることだ。
 この日の方言クイズは「走る」をウチナーグチで何と言うかだ。正解は「はーえー」だ。左の帽子をかぶった女性が答えた。
 放送とは別に、最後に民謡の曲名あてのクイズもあり、われわれも2人それぞれ、ホーメル商品をもらった。わが家は、通常は食べないので、買わない。でも賞品なので遠慮なくいただいた。045
 さあフィナーレは、「のーりー」が演奏する早弾のカチャーシー。前は「唐船どーい」が定番だったが、最近はいろいろ弾く。見事なノリである。たちまち、おばさん、おじさん、おばあ、おじい,。それに可愛い子どもが飛びだし踊りだした。
 入れ替わり立ち替わり、踊り出す。そのうち、この番組の「追っかけ隊」のおばさんまで048 登場した。

 始まる前は、人がパラパラで、どうなる事かと思っていたら、番組が始まるとぞくぞく人が集まった。カチャーシーが鳴りだすと、もうじっとしていられない。ウチナーンチュのDNAだろう。みんな踊りが上手い。最高潮に盛り上がったところで、終了した。050

 

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コメント

私が「ホーメルで・・・」で好きなところは民謡が聞けることだけじゃなくて、盛さんのうちなー口のおしゃべりが聞けるところにもあります。公開放送はかならずスーパー店内や店頭でおこなうので、月曜日の収録のときは一番最初にその店の店長さんにいろいろ聞きますね。「さあ、くぬ、タウンプラザかねひでいちまん店やいびーしが、まーかいくればいいのかおしえてくみそーりたい」。一週間放送するお店なので、どうやってくればいいか、どこにあるか聞きます。10分間の番組収録ごとに最初に自己紹介をかならずします。「ごあんねーは盛和子と?」「前仲美由紀です。よろしくお願いします」。そのほか「ウチナーグチクイズ」などの客との問答など、全部ウチナー口なので、聞いていて「あ~、あの言葉はウチナー口ではそういうのか」とわかることが多いです。「ニフェーデービル」にも、「やーたい」をつけることも知りました。盛さんは女性なので、よーく聞いていると、語尾に「たい」をつけることがとても多いですね。
それからカチャーシーは、みんなよく踊りますよね。あれ、元ちゃんのライブだとあんなふうにたくさんの人は出てこないじゃないですか。遠慮してる人が多いですよ。でも「ホーメルで・・・」では、そういう遠慮はあまり感じません。とくにオジーや男性の踊り手の多さでは、元ちゃんの場合と比べて断然多いことが、その違いを示していると思いませんか?
これからも「ホーメルな日々」をできるだけ過ごして行きましょうね!

 確かに盛さんのウチナーグチはいいんですね。トークも軽やかで、ウチナーのおばあ、おじいの気持ちがよく分かった話ぶり。またかくぜつもよい。短い時間にピッタリおさめるしゃべりもラジオにすっかり慣れている感じです。といっても、この公開放送で、これまでに大工哲弘、田場盛信など有名な民謡歌手を聴けたのもラッキーでした。
 カチャーシーをみんなよく踊る理由の一つには、踊りが好きな上に、踊ればホーメル商品がもらえるという実利もあるでしょうね。

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