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2011年4月17日 (日)

ヒヤミカチ東北節

 東日本大震災の被災者を支援する取り組みが沖縄でも広がっている。沖縄では、昔から農作業で忙しいとき互いに助け合う「ユイマール」があった。このユイマール精神で、支援しようという声が高い。066

 「ヒヤミカチ東北節」という民謡が作られて、ラジオでも流されている。ラジオ沖縄の「民謡の花束~遊びでぃきらさ土曜日」で毎回流される。この番組でDJをつとめる當間由亮(トウマヨシアキ)も加わる「ヒヤミカチジャパン」で歌っている。

 ヒヤミカチとは、「えいっと気合いを入れる」意味だ。戦争で悲惨な状態にあった沖縄でつくられた「ヒヤミカチ節」は、復興に立ち上がる県民を鼓舞するうえで一役かった曲だ。平良新助作詞、山内盛彬作曲である。
 この曲の替え歌としてつくられたのが「ヒヤミカチ東北節」である。歌詞の全文がまだネットでもアップされていない。ラジオで聞いた要旨だけ紹介する。

♪みなで手とれば光さす 心うちあわちちばり  みしょり ヒヤヒヤヒヤ ヒヤミカチウキリ
♪時間とれるならボランティアしよう 波路パシ フィック渡ってはびら (ハヤシ)
♪他人事じゃない お互いに助け合い わしたユイマール世界(シケ)に知らさ ヒヤヒヤヒヤ
 ヒヤミカチ日本 ヒヤミカチ東北

 昨年夏の甲子園では、興南高校を応援する「ヒヤミカチ興南応援節」がつくられて、チャンスになるとこの曲が鳴り響いた。興南高校は、春夏連覇の偉業を達成した。
 東北の大震災の惨状を見たウチナーンチュは、沖縄戦での惨禍と重ねて心を痛めた人が多い。「ヒヤミカチ」は、困難に立ち向かう人たちを励ます言葉であり、精神である069 。そして力を発揮する。

 ところで、意外に身近なところで「ひやみかち東北」を見かけて。買い物に行く近くのスーパーの前にある、写真のプリント屋さんの前に、上の写真のノボリが林立しているではないか。
連れ合いが店で聞いてみた。「店はラジオ沖縄にコマーシャルを出しているので、協賛してこのノボリを出しているんですよ。募金箱を置いています。1000円寄付してくれた方には、1000円のステッカーをプレゼントします」とのこと。ただし、「ヒヤミカチ東北節」の民謡のことは知らなかった。

 被災者の応援と言えば、4月10日には、「がんばれ東北! がんばれ日本!」をスローガンにチャリティーコンサートが宜野湾市海浜公園で開かれた。沖縄出身と関係のあるアーティスト50組が6会場で演奏を披露した。begin mongol800 HY Dー51 ディアマンテス 南こうせつ 宮沢和史 登川誠仁 知名定男 前川守賢など、ロックから民謡まで、そうそうたつメンバーが無料で出演した。音楽関係の企業も無料で協力した。3万5000人が集まり、募金はすべて義援金として贈られるという。070
 

 ヒヤミカチ節は、時代を越えて県民の心をとらえる魅力を持った民謡であると、つくづく思った。これを作曲した山内盛彬さんの生誕120年の記念碑が、沖縄市に建立されたので、近く見に行きたいと思っている。
 
 右写真で、1000円寄付すると店員が手にしているステッカーをくれる。

 

 

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コメント

「民謡の花束」では結構早く、當銘さんが音頭をとって「ヒヤミカチ東北節」を作り、オンエアしましたよね。その後リスナーの反響も大きく、リクエストやメッセージがあとを絶ちません。震災という不幸なできごとがきっかけとなりましたが、また「みーうた誕生」ということですかね。お店に聞きに行った時、ラジオ沖縄の「チャットステーションL」が流れていて、「この番組のスポンサーにうちの会社がなっていて、それでこの募金箱を設置して、1000円でこのステッカーを差し上げているのです」と言った店員さんに、「ヒヤミカチ東北節って土曜日の民謡の花束で流れてますよね。私はその曲について知りたいのです」と言ったら店員さんは「?」の顔をし、「その曲は知らないです」とそっけない返事。おそらく「民花」も知らないでしょうな。あのステッカー、ポートプランサービスで作ったんじゃないの?
わが家で購読している本土のA紙の読者のページで、先日、本土に住んでいる読者でおそらくウチナーンチュと思われる女性が、「沖縄にはヒヤミカチ節という民謡があります」と、戦後の悲惨な状態のもとで立ちあがっていったウチナーンチュをヒヤミカチ節が励ました、その唄をいま被災地に届けたい、と書いていました。ヒヤミカチ節は時代や状況を越えて人々を奮い立たせる唄が持つ底力を持っているのですね。
近日、山内盛彬さんの歌碑をみにいきやしょう。

 「ヒヤミカチ東北節」は、毎回「民謡の花束」の最初に流すのは、當間さんら思い入れがあるからでしょうね。プリント屋の店員が歌を知らなかったとは、自分たちがスポンサーになている番組しか興味がないのでしょうね。
 沖縄語では、大和言葉の訛った言葉が少なくないけれど、このヒヤミカチはまったく大和言葉にはない。
 ウチナー精神を代表する言葉ですね。宮古島にいけば「アララガマ」で、また本島とまるっきり違いますね。

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