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2011年5月 8日 (日)

「母の日」は民謡ライブ三昧

 「母の日」の5月8日は、沖縄ではとっても重視する。とくに、高齢の元気なおばあちゃんが多いので、母親であるおばあちゃんを大切にする。「母の日」には、ショッピングセンターのイベントは、圧倒的に民謡歌手によるミニライブが、盛んだ。おばあ世代はみんな民謡が大好きだからだ。
 近くのショッピングセンターをハシゴして、民謡ライブを楽しんだ。中でも、おばあの人気が高いのが「元ちゃん」こと、前川守賢である。この日は、3か所をかけ歩きライブをこなす元ちゃん。豊見城市のサンエーで、午前中ミニライブがあった。

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 もう開店して間もない10時過ぎには、たくさん席取りがされている。杖をついたり、車いすで来たり、娘さんに手を引かれたり。会場はぎっしり埋まり、立ち見が出るほどだった。    上の写真が元ちゃん。「三線の日」の琉球放送のテレビから。文章とは関係ない。
 元ちゃんは、いつもは三線を手にするが、今日は三線を持たず、最初から着物姿で踊りながら歌う。「愛してるよ」という意味の「かなさんどー」、平和で豊かな世を願う「世果報(ユガフ)でーびる」、「遊び庭(アシビナー)」などヒット曲を次々に披露した。
 「てぃー、たー、みー、ゆー」(1,2,3,4)では、「一歩でも2歩でも、後戻りはしないで前に進もう」との思いを込めて歌う。客席からおばあの手をとり舞台に引き上げ、いっしょに踊る。最前列に座っていたおばあは、元ちゃんに近寄ると、着物の懐に「おひねり」を差し込んだ。元ちゃんも喜んで、何回もお礼をする。
 最後の「カチャーシーどんどん」では、流れ落ちる汗をハンカチで拭いてくれたおばあの手をとり、舞台で踊りながら歌う。舞台に上がったおばあたちも、堂々といっしょに踊るところが、さすがである。若いころから、日頃なにかにつけてカチャーシーなど舞い踊ってきたのだろう。おばあたちは、だれもが踊りが上手い。

              下の写真も同じテレビから。文章とは関係ない。037_2 

 次に回ったのは、同じサンエーの南風原町にある津嘉山シティ。こちらは、饒辺(ヨヘン)愛子さんの民謡ショー。「肝(チム)かなさ節」が大ヒット作で、みんな大好きな曲の一つだ。「愛ちゃん」と呼ばれる。やはり最初から踊りながら歌う。
 「肝かなさ節」の題名は、「心がかわいい」という意味である。「♪彼の可愛がりは、はじめは肌の可愛がりだが、年が重なるに従って、心の可愛がりになる」というような意味の歌詞で始まる。ハヤシの部分は、聴衆にマイクを向けて歌わせる。最後の5番にきた時、私たちも最前列に座っていたので、マイクを向けられた。「♪肝がなさらや 思(ウ)みいかなさらや」(心から可愛いでしょう 思いが可愛いでしょう)と思いきり歌った。001  写真は、愛ちゃんの民謡ショーとはまったく関係ない。ラジオ沖縄の番組「ホーメルでこんにちわ」の収録のさい、最後にカチャーシーを踊っているところ(南風原ジャスコで)。実は、サンエーのイベントはすべてカメラ撮影が禁止されているので、使えない。それで無関係な飾りの写真を使っている次第である。
 
 あいちゃんの民謡ショーは、ワンマンではなく、専門の琉球舞踊が入り、さらに民謡界の大御所、登川誠仁の一番弟子である仲宗根創(ナカソネハジメ)くんも登場して歌った。
 とくに創くんは、18歳で名曲を歌って競う「ナークニー大会」で優勝した若手のホープだ。テレビで見たことがあるが、実物は初めて。着物姿が似合うとても純朴な若者だが、三線は上手いし、歌も若いの味わいのある歌い方だ。愛ちゃんといっしょに何曲か歌った。30分あまりのショーだが、中味の濃いライブだった。
 最後はやはり、「多幸山(タコウヤマ)」「唐船どーい」といったカチャーシーの名曲を弾き鳴らし、もう舞台前におばあたちも踊り出てカチャーシーを舞う。隣に座っていた、わが連れ合いもいつの間にか踊り出て、みんなと一緒に踊っていた。
 というわけで、「母の日」のショッピングセンターは、民謡ショーもあるからなのか、日頃よりもとてもおばあ、おじいが多かった。「母の日」は、ホテルでの食事やディナーショーなども盛んであるが、お金のかからないこういうスーパーの民謡ショーも、大きなステージとは違い、歌い手と聴衆が一体になり、踊り歌うという面白さと親しみがある。おばあたちにとっては、とっても楽しめて、うれしい舞台なのである。

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コメント

とても楽しい民謡ショーを堪能しました。私たちもだいぶウチナーグチがわかってきたので、とくにトークを一切ウチナーグチでやる饒辺愛子さんがしきりに「私はまだ35歳です」と強調していたのがわかり面白かったですね。沖縄の民謡歌手は、ただ三線弾いて歌うだけじゃなくて、踊りや太鼓や三羽や何もかもひとりでできるんですね。元ちゃんは芝居の役者もやります。
オバーたちもお金出なくてもこれだけ楽しめるのがわかってるから、「母の日」は娘に連れられて来るというより、娘に催促して車出させるんじゃないですか。でも豊見城の店で杖ついたおばあ二人きりで駐車場に出ていった二人組は自分たちで運転してきたのかなあ。と余計な心配しました。
おひねりが飛ぶところなんか、芝居小屋での沖縄芝居見に来てる客と芸人のやりとりそのままでした。
いくたびに新鮮な場面に遭遇して楽しいですね!

 ウチナー唄者は、ほんとうになんでもできるんですね。民謡のCDを聞くと、有名な歌手が太鼓や三板、ハヤシを担当しているのが多い。民謡ショーの2人とも踊りは堂にいっています。
 饒辺愛子さんは、35歳といいながら、三線のチンダミ(調弦)は40年やってもうまくできないといって笑わせてました。こちらが実年齢にあっているようです。私の行っているサークルでも、なぜかおばあはみんなチンダミが苦手です。三線は上手く弾いているのに、チンダミが苦手というのは、不思議です。
 歌手の歌だけでなく、聴衆が舞台にあがり、いっしょに踊り、歌手との面白いやり取りをすることに、おばあもおじいも腹の底から大笑いしてますね。そんな姿を見ていると、こういう芸能を楽しむことが長寿にもつながっているという気がします。

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