無料ブログはココログ

« 新緑よみがえる | トップページ | 恩納ナビ・琉歌の里を歩く »

2011年6月23日 (木)

山田真山の制作した沖縄平和祈念像

 糸満市摩文仁(マブニ)にある沖縄平和祈念037 堂を初めて訪れた。何回も「平和の礎」は訪れているのに、この祈念堂には入っていなかった。お寺ではないが、 入り口には梵鐘がある。039_2       

 祈念堂を訪れたのは、平和祈念像を観るためである。沖縄出身の山田真山画伯が18年の歳月をかけて制作した。044_2  日本画と彫刻を専攻した画伯は、中央で活躍していたが、1940年に沖縄に帰り、沖縄戦を体験し、長男と三男を亡くした。2度と戦争を繰り返してならないと平和への悲願をこめて1957年、この像の制作を発表した。県内の小中高生や多くの県民がカンパして応援したという。050_2 山田さんが独力で取りかかったのは、すでに72歳の高齢。像の原型が完成した時には90歳だったというから驚くべきエネルギーである。平和への情熱があればこそだろう。
 「この像には画伯の平和への執念が深く刻まれています」と祈念堂の栞にも記されている。046 像は高さ約12㍍、幅約8㍍の人間の祈りの姿を象徴した座像である。仏像の姿であるが、宗教や思想、政治や人種を超えて、戦没者の慰霊と平和の一点に力を合わせていこうということを、10本の指を合わせた合掌の形に表現しているという。

 この像は、沖縄の風土が生んだ独特の伝統的な漆(ウルシ)の工芸技法でつくられ、3・5トンもの量を使って、漆そのものでつくりあげたそうである。
 毎年、慰霊の日を迎える前に、県内のバスガイドのみなさんが、ボランティアでこの大きな祈念像を手作業で汚れをぬぐい、清めている。先日もその模様がテレビで放送された。この像が山田画伯の熱情と県民のみんなの支援で、生れて、支えられていることを感じる。047

 像の足元には、県外の中高生らが修学旅行で沖縄に来て、持ってきた千羽鶴や、千羽鶴で描いた絵などが、ぐるりと飾られている。
 右の写真は、岡山県赤磐市の中学生が作った千羽鶴による平和祈念堂を描いた絵である。

 平和記念堂は、堂内に800人を収容できるので、修学旅行で訪れる高校生などによる平和学習や各種団体による慰霊行事も盛んに行われているという。

 像の頭上には、群星(ムルブシ)が見えるから、仰いで見てほしいと説明がある。

059 無限に広がる宇宙空間の中に神秘的な像を表現するためだという。写真では、残念ながらかすかにしか見えない。

 ただし、この像を観るだけで、参観料が大人一人450円というのは、この種の料金としては少し高い。でないと、県民や観光客でも気軽に入りづらいのではないか。そんな印象があった。

 

 祈念堂の裏には、清ら蝶園がある。国内最大の蝶といわれるオオゴマダラを飼育しているという。064  蝶はギリシャ語でプシュケといい、魂のことをさす。プシュケ(魂)が、戦没者を追悼し、世界平和の実現を祈る平和祈念像の使者として、訪問者を迎え、無言のうちに命の尊さと平和の大切さを訴えるという意味あいをこめているそうだ。066  オオゴマダラは、黄金色のさなぎから羽化することで知られる。園内には、すでに羽化した抜け殻があった。羽化する前だと、とても神秘的であるが、少し残念だった。それにしても、もう少しオオゴマダラがたくさんいるとよいのになあ、という思いが残った。

« 新緑よみがえる | トップページ | 恩納ナビ・琉歌の里を歩く »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

祈念堂は6年も沖縄にいるのに、テレビで何回も見ているのに、平和の礎に何度も行っているのに、いままでいかなかったですね~。こんなに立派な像があるとは!しかも美しい!観音像だとばかり思っていましたが違っていました。ただ顔の表情はおだやかで観音様に似ている感じがあります。像の掃除は年末もやりますよね。オオゴマダラは、23日に放蝶したので、そのために集められてすでにいなかったんですね。先日、オオゴマダラがいないというか、蝶が全くいない公園で、蝶がいないのは食性植物がいないからだ、ということで草や花を植えている団体がいました。わが家付近では蝶はあちこちにいるし、漫湖公園にもたくさんいるので、そういう公園もあるのかと思いました。
糸満は見ていない壕やひめゆり学徒が散った新崎海岸など、見ていない場所がまだまだありそうですね。

 平和祈念像は、観音様のような穏やかな表情で、戦没者を追悼し平和を祈念しているんですね。山田真山さんが、晩年のすべてを捧げて制作した、その思いが伝わります。
 オオゴマダラは23日、約20匹を放ったから、その用意で少なかったんですね。蝶々を人の魂の化身とみるのは、世界のあちこちにあるようです。そういうイメージがわくのもわかる気がします。
 戦跡は、ガマ.壕だけで900以上あるそうですが、行ってみると沖縄戦の悲劇が肌で伝わる感じがします。大和では、戦争はもう遠い出来事のように思われるけれど、沖縄ではまだ生々しく感じられます。戦跡があるからだけでなく、米軍基地の存在もその理由の一つです。23日も不発弾が3,4か所で見つかっているしね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1384216/40517470

この記事へのトラックバック一覧です: 山田真山の制作した沖縄平和祈念像:

« 新緑よみがえる | トップページ | 恩納ナビ・琉歌の里を歩く »

最近のトラックバック

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30