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2011年7月10日 (日)

小禄の具志を歩く、その3

 小禄(オロク)の具志といえば、「その2」でふれたが、基地に土地を奪われた地でもある。
 具志は、戦前まで肥沃な土地で豊かなところだった。サトウキビをはじめ、特産品のスイカなど作り、農産物を那覇や糸満その他に出荷し安定した生活をしていた。ところが戦後、米軍によって全耕地の90%が軍用地としてとられた。さらに米軍は、1953年11月、区民1500余人に残された田畑からも農作物を取り除き明け渡せと命じてきた。

 残っていた最後の土地も失うことは死活の問題である。同年12月5日、ブルドーザーによる工事に抵抗する住民にたいして、米軍は350人の完全武装兵と、装甲車14,5台、機関銃や機関砲、催涙ガス弾、手榴弾まで動員した。座りこむ住民を包囲し、銃剣をちらつかせ、軍靴でけり、毛布をかぶせて溝に突き落とし、住民を追い立てた。

 住民たちは、翌日には村民大会を開き、7日には「金は一年、土地は万年」「土地を守るものが平和を守る」などのプラカードを掲げて、行政府や立法院へのデモ行進を行うなど、ねばりづよくたたかったという。

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 いま具志を歩いているだけでは、当時の抵抗を物語るものは見当たらない。  写真は、現在の具志の集落内のメーミチ広場。ここで7月31日に大綱引きが行われる。。

 001_3 上は具志自治会館。立派な建物だ。その側に、「結」(ユイ)の文字が彫られた歌碑があった。歌碑は「結は尊し人の道なり」と歌われている。会館の建設関係業者の寄贈だという。

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具志を歩いていて目に付いたのは、「その1」で紹介した「和合躍進」の言葉である。具志うたきの碑だけではなく、こんなところにもあった。これは、祭りの時に登場する旗頭に取り付けられているノボリの標語が「和合躍進」である。002  このポスターは、旗頭を支える持手の募集を呼び掛けるものである。中学生以上で興味のある人ならOKだそうだ。この旗頭のノボリは、それぞれ地域によって異なる。それぞれの地域ごとに、住民の心意気を示す言葉を掲げている。「和合躍進」は、具志の住民の気持ちを現わすシンボルのようだ。
 自治会館がお休みで聞けなかったので、私の勝手な推論になる。「和合」とは辞書によれば「仲良くなる 親しみ合う」という意味だ。それだけでなく、「統一や調和、協力」という意味もあるという。018  いつから使われたのか知らないが、私には軍用地として大切な土地を奪われることへの抵抗や苦難の歩みとなんらかの関係があるのではないだろうか。そんな気がしてならない。苦難に直面しながら「みんなが心一つに協力してこそ未来が開ける」という思いが感じられる。もし間違っていたらごめんなさいである。

 いま手元に『反戦地主の源流を訪ねて』という本がある。この中に具志の反戦地主、上原太郎さんの手記と1956年に発表された「具志区民の祖国同胞への訴え」が収録されている。これを読むと、具志の土地を守るたたかいの一端にふれることができる。最初に書いた土地を奪われた経過は、主にこの本から紹介したものである。
 具志を歩いたことから、具志の苦難の歴史を知ることができた。

 005  大綱引きのお知らせが掲示板に張ってあった。

追記
 後日、連れ合いが具志自治会館に電話で問い合わせをしたさい「和合躍進の意味は? 戦後の土地を軍用地にとられたことへの抵抗のたたかいも込められたものですか?」と尋ねた。「和合躍進は、みんなが協力して村を発展させようという意味です。戦後の先人たちの歴史も含まれているようです」とのことだった。私の推測も間違ってはいなかったようだ。

 

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コメント

「和合躍進」の意味がわかたっら、具志区民の闘いも具体的にわかるかもしれませんね。銃剣とブルトーザーによる土地強奪は伊江島や伊佐浜や普天間が有名ですが、私たちが住んでいる場所のこんな近くにもあったんですね。区画整理されている場所は返還されたところだからですか。あのあたりにその歴史を記したものでもおけば、具志の子どもたちに苦難の歴史や平和の大切さを伝えられるんじゃないですか。今歩いても、その面影がないので、新住民が多くなり、土地闘争を知っている世代もいなくなっていくでしょう。

 そうですね。もともと住んでいる人たちの間では、知っていることだけれど、返還され整備された街区は新しい住民がかなり多いでしょうから、分かる物があるといいですね。

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