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2011年7月30日 (土)

浦添の仲間の拝所をめぐる、その2

 浦添の仲間集落の発祥と地といわれる拝所がある。クバサーヌ御嶽(ウタキ)である。

026_2  名前はクバの木の下という意味だ。「琉球国由来記」(1713年)には「コバシタ嶽」と記されている。030_2  古老の話によると、この御嶽は、石で積み封じた神墓があったそうである。なるほど、御嶽にはめずらしい石積みの立派な拝所である。昔は、うっそうとした樹木が茂っていたとのこと。古い時代には、クバの木の下で出産したという言い伝えもあるそうだ。031_2

 御嶽の中をよくみると、なにやら丸い鏡が置かれている。なぜ鏡なのか?
 大和の卑弥呼の時代には、銅製の鏡が珍重されたが、この鏡は新しい。なぜなのか、その理由はよくわからないが、なにか理由があるに違いない。032_2

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 近くにサーターヤー跡があった。サトウキビから黒糖を作った製糖所跡である。サトウキビから汁を搾るサータークルマ、汁を煮詰める釜小屋、薪小屋などがあった。
 033_6  案内板にあるイラストをみるとイメージがつかめる。真ん中にあるのが、サトウキビを搾るサータークルマと呼ばれる道具があり、馬に曳かせて回らせると、汁が搾れる。搾った汁は、後方に見える小屋で煮詰めて黒糖にしていく。

 集落で数軒の家で構成する「砂糖与(グミ)」が作業を担っていた。「与」とは「組」のこと。つまり集団で砂糖作りをするグループである。いまもJAの祭りなどでよく黒糖作りをしているが、案外小人数でできる。仲間集落には、なんと8か所のサーターヤーがあり、黒糖を作っていたというから驚く。
   大通りから細い路地を奥に行くと、仲間火ヌ神(ヒヌカン)がある。沖縄では、各家庭で火ヌ神を祀るが、ムラの火ヌ神もある。石を積んだ祠である。近世の仲間村の「地頭火ヌ神」と言われている。
 039  間切(マギリ、いまの町村)や村(今の字)を領地にした地頭が、就任や退任の時に拝んだ。また、首里王府の公的祭祀として、浦添ノロ(神女)が執り行う稲二祭(ウマチー)などでも、他の拝所とともに拝まれたという。
 ただそれにしても、草ぼうぼうで、あまり除草や掃除など手入れがされていない感じだ。

038

 沖縄の集落は、御嶽を背にしてその前に集落が形成されるのが通常だが、この仲間も典型的な集落だ。御嶽があり、根殿内があり、仲間ンティラがあり、ムラの火ヌ神があり、樋川があり、サーターヤー跡、御待毛まである。民俗の勉強をするにはもってこいだ。それに前に見ていたから今回は行かなかったが、近くに浦添城跡、王家の墓所である浦添ようどれがある。

 浦添城跡は古くは軍事的な戦略拠点だっただろうが、沖縄戦でも日本軍の重要な陣地だった。この城跡付近と前田高地など、激戦の地となった。この辺りは、戦跡を見る上でも重要な場所である。古琉球の時代から現代まで、幾多の歴史が刻まれた場所である。

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コメント

あまり広くない仲間の集落にサーターヤーが8か所もあったなんてすごい。この集落はサトウキビの畑が広がっていたのでしょうね。仲間の民俗を知る上では、ムートー家がどこにあり、分家がどのように配列されているかを調べることも必要でしょうね。おそらくムートー家はクバーサヌ御嶽を背にして、一番近くにあるはずですが・・・。ムラのヒヌカンがなんだかぞんざいな扱いをされてる気がしますが、一応説明文を詠むと、ウマチーや初ウクシーの御願には来ているみたいですから、重要な拝所なのでしょう。でも5月ウマチーは先月あったばかりだから、あんなに草ぼうぼうなのはおかしいなあ。あ、サータークルマを引いていたのは確か馬じゃなくて牛だったと記憶してますが。

仲間集落の周辺はサトウキビ畑だったんでしょう。それにしても8か所もサーターヤーがあったとは驚きですね。サータークルマを引くのは確かに牛が多いですが、この仲間のイラストを見ると、馬だから、こちらは馬を使ったんでしょう。
 ムートー家は御嶽の前方の民家のうちどれかでしょうか。ただ、根屋(根殿内)との関係はどうなっているんでしょうか。よくわかりません。

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