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2011年8月14日 (日)

ウチナー旧盆風景

 旧盆は14日が「ウークイ」(送りの日)である。ご先祖様を家に迎える「ウンケー」(迎え日)からはじまり3日が普通だが、ところによっては、4日目が「ウークイ」になり、4日間お盆行事が続くところもある。旧盆風景をいくつか拾ってみた。

 「ウンケーは早く、ウークイはゆっくり」
 こういう言葉がある。つまりグソーから迎えるのは早くてよいが、送るのは早くするとご先祖様に失礼にあたるからだ。だから日付が変わる午前零時ころにお送りするのが普通だ。でもあまりに遅くなるので午後9時頃からやるところもあるという。お供えの料理や果物など下げてみんなでいただく。そして家の外に出て送る。ウチナーのお盆は、ご先祖さまへの心づかいが細かい。

060          ウチナーのお盆と言えばエイサーだ

 「お供えは豪華だが、昔はソテツ、アダンの実を供えたことがある」
 ウチナーおばあ俳優の平良トミさんの自宅にラジオカーがお邪魔してウークイの風景を中継していた。トミさんによると、沖縄戦の後だろうか、昔は食べ物がなくて、スチーチャ(ソテツ)やアダンの実を供えたことがあったという。食料がないときソテツを食べた話は聞くが、いまではとても食べられない。そんな歴史もあったのだ。いまはとても豪華だ。

 「エイサーの演舞で回るので、寝ていないよー」
 お盆と言えば沖縄ではエイサーだ。青年会が道ジュネーといって、演舞して地域を回る。ラジオのゲストで出ていた青年会の若者は「ウンケーの日から寝てないよ。寝る間ないのにー」という。夜の更けるまで演舞して回る。その後はまた、みんなで飲むのだろう。飲み出すと「夜が明けてティダ(太陽)の上がるまで」というのが、民謡でも歌われる決まり文句だ。これが3日間続く。若くて体力ないとエイサーは続けられない。

 「テレビもラジオも民謡が流れっぱなし」
 テレビの旧盆特集は沖縄民謡。「民謡の祭典」「民謡芸術祭」など、民謡の団体ごとに芸能祭の模様がテレビで放送される。NHKのEテレ(前の教育テレビ)も沖縄の歌と踊り特集だ。きっとご先祖様も民謡が大好きなはず。
 ラジオも、あらゆる番組で旧盆風景を流す。波照間島では、「ムシャーマ」と呼ばれる豊年祭を旧盆に合わせて行う。家の先祖供養と島の祭りをいっしょに行うから忙しい。でも島から出ている人もお盆に帰るから祭りも行う方がいいのだろう。「いま舞台では踊りが始まってますよ」と島のおばさんが報告する。
 「料理作りの最中で忙しい」「これから親戚回りですよー」とか「もうすぐウークイはじまるよー」とか、お盆の様子が手に取るように分かる。お盆に綱引きをする地域もある。
 ラジオで流れる民謡は、やはりエイサー曲が多い。朝から嘉手苅林昌のエイサー曲をもう何回聴いたことだろうか。

066           エイサーの定番曲を弾く地謠(ジカタ)

 「話供養」
 お盆は、トートーメ(位牌)のある長男の家に親戚一堂が集まる。ご先祖様にみんなでウートートー(拝み)する。夜遅くウークイするまで、歓談する。親戚が元気な姿を見せ、近況などワイワイと話しあうこと自体が、ご先祖様は嬉しいらしい。だから歓談することが供養になるそうだ。

 「ウチカビをしっかり燃やそう」
 お盆の話になるとウチカビが話題になる。ウチカビとは、グソー(あの世)のお金だ。先祖がグソーで惨めな思いをしないようにしっかりウチカビを燃やしてお金を持たせることが大事だとか。「でもあまりおじいにウチカビもたせると、松山(那覇の歓楽街)で遊ぶんじゃないかねー」とか冗談が出る。「ヤンキーが自動販売機にウチカビを一生懸命入れていたよ」とか。そんなバカなと言いたいが、けっこうウチカビは笑える話になりやすい。

 大和のお盆とは、違ったウチナーのお盆風景だ。ラジオでウチナー歌手のかでかるさとしの話した言葉が印象に残った。「沖縄戦で親戚も何人も死んだけれど、我々が生きているのは、親や先祖が生きて、命をつないできたからなんだね。感謝しなければね」。
 ウチナーのお盆で供養する先祖には、たくさんの沖縄戦の犠牲者がいる。どこの家庭にも必ずいる。戦争でなくなった人々への供養と、その中でもおじい、おばあや親の世代が生き残って郷土を復興させてきた、命をつないでくることができたことへの感謝の思いが込められている。
 

 

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コメント

ウークイの日のスーパーの混み方ってすごいですね。親戚が集まるから買う量も半端じゃない。お菓子類ジュース類、オードブル、重箱料理。昨日ほど三枚肉煮付けが作られ、天ぷらが揚げられた日はなかったのではないでしょうか。
わが家もウートートーしてるとき、ラジオからエイサー曲が流れてましたが、エイサーってお盆に先祖供養のために踊られるんだなあ、グソーから帰ってきたご先祖様もエイサー見て喜んでるんだなあと思いました。本土のお盆はお墓参りでお花供えてウートートーするけど、沖縄みたいにあの世から家に帰ってきて一緒に楽しく過ごすっていう風景ではないですね。
友だちのMさんは、ウサンデーは午前12時回ってからだと言ってました。ウークイの14日が過ぎてからお帰しするんですね。
正月と同じぐらい、楽しい3日間です。

 お盆の買い物は早くすませているかと思ったら、ウークイもスーパーの客は、とても多かったね。ウチナーはお盆も楽しくというのが、いいですね。エイサーも勇壮で鎮魂みたいな感じはないし。
 ラジオで「赤瓦チョービン」さんが話してたのは、エイサー踊る人は、昔は無縁仏という考えだったとか。だから家々を回って施しをもらうという。そういえば、石垣のアンガマも、グソーからやってきた人たち一行が、家を訪れて芸能を披露するのも面白い。まあ、芸能も供養ですね。だからお盆も芸能、エイサーが盛んです。南城市の方では、お盆4日目に、芸能を奉納する行事もありますね。
 お盆でお供え料理を下げるウサンデーで、みんなご馳走食べすぎて、太るという声が多い。でも盆だからいいサー、という。ご先祖も楽しんでグソーに帰ったことでしょう。

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