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2011年9月 7日 (水)

「つくる会」系教科書に世論調査で6割が反対

八重山地区の教科書採択をめぐり、「琉球新報」が石垣市、竹富町、与那国町で世論調査をした結果を9月7日付で報道した。右翼勢力が進める「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書の採択について、反対が賛成の3倍近くにのぼっていることが注目される。
 「つくる会」系教科書に、「絶対に採択してはならない」34.3%、「あまり採択してほしくない」27.0%で、反対は合計して61.3%にのぼる。「採択してもいい」は17.0%、「ぜひ採択してほしい」は5.0%で、賛成は合計してわずか22.0%に過ぎない。
 八重山採択地区協議会は、採択の民主的なルールを強引に改悪して、「公民」では、育鵬社の教科書選定を無記名投票でごり押しした。でも、採択の権限を持つ教育委員会では、竹富町は育鵬社は不採択とし、東京書籍の教科書を採択した。また、「歴史」教科書は、地区協議会で県民世論の反発を避けて、帝国書院の教科書を選定した。

 この世論調査は、300件の回答によるもの。この調査結果をみても、「つくる会」系の右翼的な偏向教科書の採択は、まったく住民、県民の世論と相反するもので、住民の支持を受けていないことを明らかにした。
 特定の政治勢力が、強引に教科書選定に介入し、教育を歪めようとしていることを物語っている。

035          写真は沖縄戦の犠牲者を祀る魂魄之塔(糸満市)

 大事なことだと思ったのは、「公民などの社会科教科書で大切にしてほしいことは何か」という設問への回答である。それは第1位が「平和教育」で51.7%。第2位が「基本的人権や平等」で21.7%で、この二つが飛びぬけて多いことだ。「愛国心」や「領土問題や安全保障」などは10%に満たない少数である。
 ここには、沖縄戦とその後の米軍支配を体験してきた沖縄県民の平和や人権への強い願望が反映しているだろう。同時にそれは、沖縄だけでなく、日本全体でも普遍的に希求すべき教育の重要な柱であるはずだ。それは憲法の柱であるからだ。

 育鵬社の「公民」教科書は、日本の平和は、自衛隊や米軍の抑止力によると賛美し、「公共の福祉」のため基本的人権が制限されるとか、行き過ぎた平等は社会混乱をまねく、とし、現憲法の精神をないがしろにする内容である。県民世論が求める社会科教育の内容とも相反する。

 世論調査は、もう一つ注目すべき回答がある。自衛隊の与那国島への配備についてである。「絶対に反対」が36.3%、「どちらかといえば反対」が24.0%で、合わせて60.3%が反対である。賛成は「大いに賛成」9.0%、「どちらかといえば賛成」20.0%で、わずか29.0%に過ぎない。とくに、配備が計画されている与那国町では、反対が73.3%と圧倒し、賛成は13.3%しかない。与那国では一部の人たちが、「自衛隊誘致により島の振興を」と動いたが、地元の声をまったく置き去りにしたものであることを浮き彫りにした。

 今回の世論調査をみても、改めて世論を無視した強引な右翼的な教科書の採択はやめるべきだ。また与那国島への自衛隊配備の計画も中止すべきである。
 

追記
 「琉球新報」は8日付で、県内全域の14市町村での世論調査の結果を発表した。516件の回答だ。「つくる会」系の教科書採択に反対が合わせて57.7%と多数を占め、賛成はわずか14.1%に過ぎない。八重山でも県内全体でも反対が6割を占め、賛成の3倍にのぼることが明らかになった。教科書採択は住民に開かれた採択が必要で、県民世論に応えた教科書を選ぶべきだ。

 

 
 

 
 

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コメント

「9・29県民大会」で11万余が示した「『集団自決』に旧日本軍の強制」の明記、教科書検定意見撤回の意思h圧倒的で不動であることが明らかになりましたね。これはどういう圧力があっても、育鵬社の公民教科書採択を八重山がやろうとしても、あらがうことができない流れだと思います。
昨日、中国漁船の巡視船衝突事件から1年ということで、与那国の漁民の声をテレビが伝えていました。今でも中国漁船は与那国の国境まで操業しにきたり軍事行為におよびそうになり、安全に操業ができる事態ではないので、早く国境問題を解決してほしい、と言っていました。しかしだからといって「自衛隊を配備してほしい」とは言ってませんでしたよ。
「国境問題があるから即自衛隊配備」というのは、けして住民感情からあるのではなく、右翼的潮流の目標の一端だと思いますね。沖縄は平和的国交をめざしているのであって、軍事的緊張を高めるような状態を求めているのではありません。
 今日は八重山教科書問題の協議会が開かれる日です。県民世論に沿う教科書にするべきです。

 そうですね。沖縄戦とその後の米軍支配、基地の重圧のもとで生きてきた県民は、社会科教育ではなによりも平和や人権を大切にする教育を望んでいます。こういう県民の声に背く逆流は、無理に進めようとしても、かならず破たんするでしょう。
 自衛隊配備の問題でも、「日本軍は住民を守らない」ということが八重山でも体験している。だから、尖閣諸島の問題があるからと、自衛隊配備を望む人はほとんどいないでしょう。むしろ、尖閣諸島でも軍事的な対応で緊張を高めることより、平和的な問題解決を望んでいます。また、台湾に近く友好関係にある与那国でも、自衛隊駐屯で緊張が強まることを心配してます。昔から琉球は、平和的な交易と友好の関係で大国と付き合って発展した国ですからね。

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