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2011年9月12日 (月)

首里城「中秋の宴」に酔う

 9月12日は旧暦8月15日で満月。その前に、首里城で「中秋の宴」があった。琉球王朝の時代に中国皇帝の使者である冊封使(さっぽうし)を歓待するため開かれた7つの宴「冊封七宴」の一つが「中秋の宴」。当然、旧暦8月15日の名月の下で行われた。029_2
 012_3 冊封使を数々の芸能でもてなした。そんな歴史をしのび、2日間にわたり、正殿前の御庭(うなー)に特設の舞台をつくって披露する。
 「中秋の宴」は、首里城で伝統ある芸能を観るのは、格別の趣がある。それに、名月を世界遺産の首里城で観るのもまた、感激ものである。数百年前と変わらない観月の風情が味わえるからである。
 
 開演の40分前に着いたが、開場前なのに、もうたくさんの人たちが押し掛けて、3か所で長い列ができている。すぐに並んだが、みるみる後ろにも列が伸びる。 なぜか、米兵と家族なのか、アメリカーが子ども連れで数十人も来ている。

 御庭に入るには、通常は料金が必要だがこの「中秋の宴」は無料で開放される。
 少し着くのが早いかと思ったのに、全然早くない。これ以上遅く来たら、よい席に着けない。長く立ちんぼうしてようやく開場になった。
 イスが800席も用意されている。舞台正面のよい席がとれた。
  

 
1日目の演目は、琉球舞踊(古典)と人間国宝の演奏と舞踊、歌三線と舞踊と台詞の総合芸能である組踊「花売りの縁」、最後にまた琉球舞踊である。

 2日目は、首里城祭で国王・王妃に扮する人を選出するイベントがある。組踊は「二童敵討」(にどうてぃちうち)という敵討ち物である。演目も1日目がよい。

 幕開けは、琉球舞踊(古典)で、まずはめでたい時に座開きとして踊られる祝いの舞い、「かぎやで風(かじゃでぃふう)」。老人・老女踊りである。

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  続いて「上り口説」(ぬぶいくどぅち)。琉球が薩摩に支配されていた時代、薩摩に旅する様子を歌っている。若者による「二才踊り」(にーせーおどり)である。薩摩が琉球に置いた役所「在番」を接待するため創作された祝儀舞踊だとのこと。

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 これは、私が通う民謡三線サークルでもよく演奏する曲だ。琉歌のような「8886」ではなく、字数が「75調」で旋律も大和風である。テンポが良い。

  8月15夜の満月が正殿の右上に昇ってきた。雲ひとつない。まだ空は青い。038
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 次は「天川」。先にこのブログで、天川の歌碑を見たことを書いたばかりだ。
 天川に仲良く遊ぶ鴛鴦(オシドリ)のように、いつまでも添い遂げようと、永遠の愛を誓う歌詞にのせて踊る。

 手には何も持っていない。ところが華麗な衣装の袖から伸びた真っ白な手が、しなやかに表現する。手踊りとよばれる。
 この手の繊細な動きに、おもわず「手がこんなにも美しいものか」と引き込まれた。

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 このあと、仇討ち物の組踊で歌われる「高平良万歳」(たかでーらまんざい)、舞踊の最後に「醜童」。美女2人と醜女(しこめ)2人が組んで踊る「打組踊り」(うちくみおどり)で、コミカルな踊りだった。下写真は、高平良万歳である。
 040 夜はふけて行き、月は輝きを増すかのようだ。056 舞台では、人間国宝3人による演奏と踊りに移った。
 城間徳太郎さんの歌三線による「赤田風節」、西江喜春さんの歌三線で「二揚仲風節」と続く。城間さんの演奏はテレビでは見たことがある。西江さんは初めて見た(下写真)。
 065  西江さんがひと声発すると、度肝を抜かれた。張りのある高い声を声量豊かに響かせたからだ。野外だけれど、場内を圧するような歌である。終わった途端、「ブラボー!」の声が飛んだ。どうやら、アメリカーもその歌声に感激したようだ。さながらクラッシックコンサートのような雰囲気。「ブラボー」が出たのは、多くの演目の中でも、西江さんの歌三線だけだった。やはり、優れた音楽は、国を問わず胸に響くのだ。
 071_2  琉球舞踊は宮城能鳳さんによる「女特牛節」(うんなくてぃぶし)。男性とは思えないうっとりするような美しさである。
 ちなみに、琉球王府の時代、「中秋の宴」などでの芸能は、すべて王府の男性役人が演じた。女踊りもすべて男性である。ただ、現在は琉舞をやる人は女性が多いので、この日も、女性も入っていたようだ。
 まだ組踊はこれからだが、長くなったので次にしようね。

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コメント

 組踊までいくのに、随分演目がありましたね。いまテレビでドラマ「テンペスト」を毎週見てるせいか、久しぶりの首里城、という感じがなかったですよ。「テンペスト」でも古典の琉舞が出ますが、佐藤さんという女性の先生が指導したそうで、その場面が以前紹介されていましたが、やはり手の表現の仕方に一番工夫がいるようです。手の動かし方で、空間をつくり、その空間が踊りを表現するのだとか。
 西江さんの声は確かにすばらしかったです。城間さんは何度か聴いているためか、突出してすごい、という感じではなかったんですけどね。西江さんは人間国宝に認定されたとき、「私が国宝なのではない、組踊が国宝で、その組踊の一端を担っている声が認められたと思っています」と言ってました。
 「しゅんどう」はコミカルでおもしろかったですね。手の表現が美女と醜女ではまるきり違う。
 あといろいろ発見がありましたが、とにかく正殿と月がみられたのは感激でした。アメリカーが多過ぎる。来るなよ~、と言ったら怒られるな。(笑)

ドラマ「テンペスト」がなんか身近に感じられるね。中秋の宴で披露される芸能は、組踊がメインではあるけれど、それだけではなく、琉球舞踊、歌三線も素晴らしく、組踊もそれらを総合する芸能ですから、一つひとつ堪能できます。
 西江さんの、人間国宝認定の感想をよく記憶していますね。謙虚な人柄です。
 アメリカーでもウランダーでも来ればいいけれど、後ろに座っていたアメリカーの子どもがずーっと騒いでうるさいので、まいったね。子どもはつまらないのは当然。幼い子を連れてくることに無理があります。

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