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2011年9月17日 (土)

おかしな文科省の介入

 八重山地区の教科書採択をめぐり、石垣市、竹富町、与那国町の三市町の全教育委員が9月8日に協議して公民教科書は東京書籍を採択することを決めたのに、文科省が県教育庁におかしな通知を送付してきた。
 この通知は、「八重山採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果に基づいて、採択地区内で同一の教科書を関係市町教育委員会が採択を行うよう指導を行う」ことを求めている。これは、中山文科相が8日の協議と採択結果について「協議がととのっていない」と決めつけていたことを見れば、8月23日、八重山採択地区協議会が育鵬社の教科書を選定した答申に三市町、つまり反対した竹富町も従うように求めていることになる。

 とすればとんでもない文科省の介入である。この23日の協議会は、玉津会長(石垣市教育長)が、これまでの採択ルールを変え、現場教員による教科書の順位付け廃止、調査員の独断的な選定、協議の非公開と無記名投票制の導入などを強引に行った。それは、「つくる会」系の教科書採択を企図したものであったことは、その後の経過から明らかである。
 そのうえ、協議会では、調査員が推薦もしていない育鵬社版をまともな議論もなく多数決で押し切ってものだ。「協議がととのっていない」というなら、この23日の協議会である。

 それに、もともと協議会は答申をしても、採択の権限は市町の教育委員会にある。三市町で採択した公民教科書が異なるなかで、もっとも合理的な一本化のための協議の場として開かれたのが、13人の全教育委員による合議である。制度の不備があるもとで、これ以上の有効な協議の場は考えられないだろう。それは、三市町の教育委員長が連名で、8日の協議の正当性を訴える文書を国、県に送っていることからも明確である。
 その結論を「ととのっていない」と言う方が、どうかしている。中山文科相は、育鵬社版に肩入れをするつもりなのか。そんなことは許されるはずがない。
 自民党が盛んに八重山の「つくる会」系教科書採択を狙って不当な政治介入をしていることが明らかになっている。そんな圧力に文科省が同調するのか。政治介入は断じて許してはならない。
 また、あくまで教科書を採択するのは八重山の市町教育委員会である。文科省が介入することはもってのほかである。「琉球新報」17日付け社説が文科省通知は「越権行為も甚だしい」と主張しているが、正論である。

 沖縄県民は、戦前の軍国主義と皇民化教育によって、沖縄戦でも痛ましい犠牲を強いられた歴史をもつ。侵略の戦争を正当化したり、平和の憲法の改悪をあおるような「つくる会」系の教科書は、沖縄には絶対に持ち込んではならない。それに、育鵬社の公民教科書の表紙の日本列島の図からは、沖縄が削られている。沖縄は米軍占領下にあると見ているのだろうか。言語道断である。この事実一つとっても、こんな教科書を沖縄の子どもに渡すわけにはいかない。県民世論も反対が多数である。文科省は、県民の声をしっかりと受け止めるべきである。

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コメント

教科書採択をするのに、文科省が「指導してくれ」などと県教委に通知してきたところが、沖縄以外にどこがあるでしょうか。中川文科相は発言を撤回すべきだし、通知も取り下げるべきです。23日の教育委員全員が出席して決めるまで、県教委は助言をしてきましたが、それももともと文科省の指導にしたがっておこなってきたんじゃないんですか。
 教科書を決めるのはレキオアキアキさんがいうとおり当該自治体の教育委員会であり、文科省がどうしろ、と指示するのははなはだしい政治的介入です。沖縄で「つくる会」系の教科書が使用されるなど、沖縄の痛苦の歴史を返り見ない問題だし、直面している与那国への自衛隊配備も進めやすくなるでしょう。
 今、今回の教科書採択が複雑な経緯を経ており、いまだに玉津石垣教育長や与那国教育長が「無効だ」と文科省に要請していることなどで、「手続き論」的な見地からの批判が多いですが、もともとこういう複雑で常軌を逸したやり方をしたのが、なんとしても「つくる会」系教科書を八重山の子どもたちと県民におしつけたい、という右翼潮流の挑戦があることを忘れてはならないでしょう。
 もしそんなことがまかり通るとすれば、県民はだまってはいませんよ。

 県教育庁は、複雑化した問題なので文科省に相談して進めてきたので、いまになってこんな通知がくるのは、2階に上げて梯子を外すようなこととなるでしょう。
 手続き問題でも、8日に全教育委員で育鵬社版の不採択を決めたのは、なんら問題はない。文科省がとやかくいうことではない。それをあえて通知してくるところに、いまの右派勢力による「つくる会」系教科書の押しつけの異常さがあり、政治介入もその一環でしょう。
 痛苦の歴史を持つ沖縄に、新たな先島への自衛隊配備を押しつけ、それにあわせて教育まで「改憲」志向、米軍と自衛隊賛美の教科書を持ちこもうとするのは、許しがたい愚行です。沖縄県民の肝心がわかっていない。こんなことをしていると、ますます県民の政府への不信、反感を高めるばかりですね。

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