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2011年12月30日 (金)

元日は「ムーチー」(餅)の日

 こんどの正月、元日は「ウチナー暦」、つまり旧暦では12月8日である。ちなみに、沖縄のラジオは「今日は○月○日です」と言033った後、必ず「ウチナー暦では○月○日です」と旧暦の月日を付け加える。
 旧暦12月8日には「ムーチー」を食べ、厄払いと健康を願う日である。「ムーチー」といっても、大和の正月の餅のように、もち米を蒸して臼でついたものではない。もち粉に、黒糖、紅芋の粉、カボチャの粉末などを混ぜて、こねたものを、サンニンガーサ(月桃の葉)でくるみ、蒸したものである。

 カーサで包むのは、魔除けの効果があるといわれるから。食べることで、厄払い、魔除けになるといわれる。
024  家の天井や門に、ムーチーを吊るしておくと、魔除けになる。

 昨年は、わが家でもムーチーを作ってみた。もち粉に紅イモの粉や砂糖と水を入れてこねるが、これがとてつもなく力作業だ。1時間も手でこねなくてはいけない。こねないと固くなる。根気よくこねていると柔らかくなってくる。昨年作ったさい、随分こねたのでもういいだろうか、と隣のおばあに見てもらったら「まだまだ、もっともっとこねないとダメよ」と言われた。もう一度こねてから見てもらったが「まだまだ」とダメ押しされ、くたびれはてた記憶がある。

 今年はもう自家製は諦めて、スーパーで買ってきて、ムーチーの日の前にもう食べた。柔らかかったので、販売しているものはそうとうこねているはず。

 というわけで、根気のないわが家は、もう撤退したが、ウチナーンチュはみんな家で作る。それも家族が多いから、たくさん、たくさん作る。スーパーにいくと、正月用品とともに、ムーチーをつくるもち粉、それに混ぜる紅イモなどの粉、砂糖、月桃の葉といった材料、できた餅をしばるヒモまで売り場の一角にずらっと並んでいる。

 問題は、沖縄では正月の料理を作るのも大仕事なのに、ムーチーまで作るとなると、半端じゃない超大仕事になるだろう。

 先日乗ったタクシー運転手に尋ねてみると、「正月料理といっしょに作るのは大変だから、ムーチーは早くから作っておくのじゃないかね」と話していた。なるほど。そういう手があるのか。民謡三線サークルで会ったおばあにも尋ねてみた。すると「うちは正月料理もムーチーもいっしょに作るよ」というではないか。さらに付け加えて「それにうちは子どもが生れたから(多分孫だろう)、ハチムーチーだからたくさん作るのよ。大変だけどね」と言う。なんとなんと。
 ハチムーチーとは、その年に子どもが生れて初めて、ムーチーを迎える家は、親戚や知り合いに内祝いとしてムーチーを配る習慣がある。周りのたくさんの人たちの思いで子どもを守ってほしい、健やかに育ってほしいという願いを込めた行事である。

 正月準備で忙しいからと、ムーチーの手を抜くわけにはいかない。それがウチナーンチュの心であるだろう。043

 ちなみに大晦日は「トゥシヌユールー」(年の夜)といって、正月準備を行ってから、仏壇、ヒヌカン(火の神)に今年一年の感謝をする。そして豚肉料理を食べるのが習慣だったとのこと。年越しそばなんて大和風俗だから昔はなかった。いまでは、だんだん年越しそばも広がり、そば麺を作る店やそば屋は忙しいようだ。ただ、そばといっても、沖縄では、なんといってもそば粉の入っていない沖縄そばである。大和風の蕎麦屋なんてほとんどない。やっぱりウチナー風である。

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コメント

ムーチーの日、旧暦12月8日は季節的に「ムーチービーサ」といって、その日は寒さが一段と厳しい日といわれますね。今年は元旦がムーチーの日なので、寒い元旦を迎えそうです。天気予報も雨ですし。この寒さでカンヒサクラの蕾が膨らみ、開花も進むでしょう。
ハチムーチーは、とくに男の子が生れた家は昔は盛大にやったようですね。いまは男女差はないですが。お隣にも男の孫が生れた翌年は、ムーチーをいただいた記憶があります。もっとも今年もわが家の「力作」をおすそわけしたお返しに、おばあ特製のムーチーいただきましたね。
昔、一家に一頭か二頭ぐらいは豚を飼っていました。トシヌユルーの日になると、ッワー(豚)の鳴声がそこここの家やら海岸から上がったとか。正月に食べるッワー用に、トサツしてたんですね。
 海岸では殺した豚の皮を焼き、毛を剃り、肉と内臓を分解し、腸はとくに中味汁で食べるので、海水でよ~く洗ったそうですよ。
 牧志公設市場の豚肉売り場が年末混むのは、各戸でッワーのトサツができなくなったからですね、食品衛生法上。わが家では作らないけど、中味汁もラフテーも、トシヌユルーのおばあやかあちゃんたちが腕をふるって作っている頃ですね。

 ムーチービーサーは、旧暦だから本来は、毎年新暦では変動するので、因果関係はいまいち合わないところがあるはずなのに、やはり正月は寒くなりそうですね。南城市の大里ではムーチーの日に大鍋で巨大ムーチーを作っていたのに、正月ではできないでしょう。もっとも最近は行事が中止になっているようですが。
 トゥシヌユルーの豚肉を食べる習慣は、まだ実感がわかないですが、いくぼーさん。詳しいですね。大晦日に豚をつぶして、正月も食べたんでしょうね。そういう場所ってやっぱり海岸なんですね。ヤギと同じですね。処理がやりやすいからでしょうね。

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