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2011年12月12日 (月)

アルテにデビュー

 首里にあるアルテという店で、毎月1回、音楽をやっている人なら、だれでも小さなホールで演奏できる機会がある。「アルテミュージックファクトリー」という。ポルトガル語で「アルテとはアート」、「ファクトリーとはコンサート」という意味だそうだ。

025_2  歌三線でもギターでもヴァイオリンでも、演歌でも洋楽でも、どんなジャンルでもOK。ということで誘われて初めて出てみた。毎月テーマがあり、今回は「願」。ただし、午後6時半から7時までは無料。7時以降は500円を払う。ということで、人前で演奏してみたい人が気楽に出演できるというわけである。
 「願」にあう曲として「屋嘉節」を選んだ。金武町にあった捕虜収容所でつくられて民謡である。沖縄戦で愛する郷里が戦場になり、みんなが泣いている。涙を流しながら、恩納山にのぼってみんなとともに戦さをしのいだ。愛する彼女は石川村の茅葺の長屋にいる、私は屋嘉の浜で砂地を枕に寝ているというような歌詞である。
 最後に「♪戦さ世のあとの、焼け野原見れば またんねんごとにお願(うにげぇ)しゃびら」(戦争のあとの焼け野原を見れば、再び悲惨な戦争は起きないようにお願いします)と歌う。
  006_2  写真は、恥ずかしがり屋のため、目を隠しています。
 サークルの仲間とともに集団で人前の演奏は何回もやってきたが、一人で演奏するのは初めて。いざ演奏を始めると、三線は単純な曲なのに、手が動かないというか、勝手にミスばかりする。自分では落ち着いているつもりなのに、緊張しているのだろう。最後まで、上手く弾けないままだった。
 でも、歌の方は、それなりに声が出ていて、マイクを通して響き渡っていることが実感できた。歌詞の内容から、とても、悲惨な沖縄戦と捕虜の哀れな気持ちが共感できるので、歌っても思い入れが入った。

 008   わが連れ合いが通っているボイストレーニングのお仲間たち5人もそれぞれ、ピアノの火いろ先生、奥さんの藤沢さんのフルートの伴奏で歌った。みんな持ち味が出ていて、よかった。ツレはアルテは2回目で、今回は五輪真弓の「恋人よ」を歌い上げた。

 ファクトリーは、ズブの素人もいれば、ピアノ、ギターを教えている先生もいる。技量の差を超えて、みんな音楽が大好き人間が集っている。午後10時すぎまで演奏を披露し合った。前回は、何人か三線を弾く人がいたが、今回は伴奏を務めた人と私で2人だけだった。
 発表会のような「ファクトリー」だが、終了のあとは打ち上げ会が待っていた。

056  打ち上げといっても、みんな芸達者な人たちばかりなので、飲み食べながら、またそれぞれ好きな楽器で好きな曲を披露しあう。一次会で三線が上手く演奏できなかったので、挽回しようと、もう一度挑戦した。曲は「童神」。生れてくる子どもへの愛情を歌った曲だ。
 でもやっぱり手はあまり動かない。人前に出るとなぜこうも緊張するのだろう。車を運転しているから、酒を飲むわけにいかない。ノンアルコールビールを飲んだだけ。それでもまあ、なんとか歌い終えた。藤沢さんがフルートでフォローしてくれた。

036  すごいのは、火いろ先生やギターの先生たちが、楽譜集を見て歌いたい曲をリクエストすれば、演奏してくれること。ナマ演奏をバックに歌える。
 070  ナマ演奏をバックに一度は歌ってみたい。最後に「風雪流れ旅」を歌ってみた。火いろ先生のピアノ、藤沢さんのフルートだ。フルートは、演歌だからまるで尺八のように吹いてくれる。
 思いっきり歌おうとするが、なんと前奏から歌に入るところが、もうわからない。カラオケなら、字幕で歌い出しがわかるが、ナマではそんなことはできない。演奏はもう前に進んでいる。あわてて第2小節から歌い出す。2番に入るにも、同じだ。でも「アイヤー、アイヤー」と盛り上がるカ所に来ると、思いっきり歌えた。
 自分では分からなかったが、ツレによると「アイヤーのところでは、みんなが、アイヤー、アイヤーと歌っていたよ」とのこと。楽しい打ち上げ会は、これでお開きになった。

 演奏しあい、歌い合う。こんな楽しい場があることは、とってもうれしいことだ。よく東京なんかで、音楽家の卵、美術家の卵たちが集まってワイワイと楽しんでいた様子を聞くが、なんかそんな雰囲気だ。
 来年はもっと練習して、なんとか上手く演奏できるようにならなければ!。
  

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コメント

レキオアキアキさん、そんなに落ち込むことないし、力むことないですよ~。気軽な気持ちで出ればいいんですから。問題というか、鍵は「上手いか下手か」ではなく、音楽が「好きか嫌いか」だと思うんですよね。好きこそものの上手なれっていうじゃあありませんか。まず三線が「好きっ!」っていう気持ちを大事にすれば、結果はついてくるんんじゃないですか。
 私のお仲間だって私を含めて「上手い」とかいうんじゃなかったです。わかったでしょう。見てて。それぞれが歌が好きでたまらないって感じが。火いろ先生と藤沢先生のナマ伴奏がすごいんで、ちょっと焦りますけど。火いろ先生は、レッスンのときはものすごく高度な課題を次々求めてくるんですよ。みんなフーフー言ってます。
 でもアルテは楽しむ場所だから、思い切り音楽や演奏を楽しみましょう!来月のテーマ「輝」は何にするか決めましたか?

 そうですね。好きだから気楽に出ればいい。それに、人前の演奏は、何度も何度も出て、慣れるしかない。人前で弾くことに慣れれば、普段通りの演奏ができるといいます。だから、何回でも出ますよ。
 それに、サークルで演奏しない曲で、とってもいい曲があり、そういう曲の良さをできるだけ、多くの人にも知ってもらいたいという面もあります。次は「輝」がテーマですから、月の輝きを歌った曲にしますよ。

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