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2012年1月27日 (金)

金城実&山里ユキ、民謡ライブを楽しむ

 那覇市の牧志公設市場内にある「ひやみかちマチグヮー館」で、金城実&山里ユキ民謡ライブがあったので、出かけた。この建物の2階にある。015 018

 実&ユキさんの二人は、民謡界の大御所だが、長くコンビを組んで歌っている。この2人の民謡が無料で聴けるのは嬉しい。さすがに、民謡好きの人たちが続々つめかけ、たくさん立ち見もでた。

 020  2人が和服姿で登場。バックで演奏するのは知念さん。始まる前に、入り口にいたので、係の人かと思い「今日は普段よりお客が多いでしょう」と尋ねると「そうですね、民謡界の大御所ですからね」と話してくれた。それが、まさかの舞台登場でビックリした。金城実の孫だという。023  実さんが「読谷から来たよ」と話し始めると、最前列のおばさんが「私は名護から来たよ」と間髪いれず声をかける。続いて私の隣にいたおじさんが「オレは宮古島から来たよ」と叫ぶ。いやいは、随分遠くから、先島からも駆けつけるとは、さすがに大物のライブだ。025_2  実さんは、シブイ唄声が好きだが、意外にもユーモアたっぷりの人柄。話はすべてウチナーグチ(沖縄語)で、3分の1も理解できない。後ろの孫の知念さんが、たまに訳してくれる。
 「身長が低いから立ってても座ってても変わらない」と自分で言う。歌っている途中で、歌うのを止めた際は「歌詞を忘れたよ」。そういう実さんは、分厚い歌詞集を目の前に置いている。でも殆んどめくらないから、あまり意味がないのかもしれない。

 024  旧暦ではまだ旧正月4日なので、「いい正月でーびる」、「村興し」から歌い始めた。
 2人がいっしょに歌うのに、実さんはすぐ「山里ユキさん、声がいいでしょう」「歌が上手でしょう」と相方をほめる。不思議だ。「実もジョウトーさ」と声が飛ぶ。
実さんは82歳、ユキさんは73歳だという。ユキさんは、個人的には沖縄民謡界の女性唄者ではナンバーワンだと思う。声もいいし、歌も上手い。三線もとても上手だ。

 026 ユキさんは、「命一ち節」(ヌチティーチブシ)や「遊び仲風」(アシビナカフウ)など、ヒット曲を歌う。どれも大好きな曲だ。「遊び仲風」は自分でも歌っているが、「命一ち節」は歌えない。沖縄戦の体験を踏まえ命の大切さが込められた歌詞のようだ。

 実さんは「代表曲はねー」030といって「みのる節」の名を上げようとしたが、たしか「いなぐ節」とか冗談を言う。「いなぐ」とは女性のことである。

 私的にはなんといっても「南洋帰り」が好きだ。南洋で戦争にみまわれ、雨のように砲弾が降る中、「よく生きてたものだ、不思議だ」。ようやく懐かしい故郷に帰る。「やっぱり平和はよいむんや」と歌う。

 実さんは、なんか行きあたりばったりで歌う感じ。ユキさんはしっかり考えた選曲で歌いきる。性格的にはかなり違うけれど、なぜか呼吸はぴったり合っている。さすがベテランコンビだ。

 無料で二人の民謡を1時間たっぷり見られたのは、嬉しい限りだ。036 「最後はやっぱり踊りたいですよね」と知念さんが呼びかける。それに合わせて、早弾のカチャーシー曲を奏でる。曲が始まると同時に、名護のおばさん、宮古のおじさんが飛び出して踊りだす。

041_2  040  後ろの方でも踊りだす。じっとしてはいられない。わがツレも誘われるままに踊りだした。

043  実&ユキさんの歌三線で踊れるなんて、ぜいたくなひと時である。
 この「ひやみかちマチグヮー館」は、国際通りと市場のにぎわいを創ろうという那覇市の事業として、毎日、この舞台で芸能を披露している。とってもいい企画である。でも、この2月で事業は終了するという。もっと続けてほしい。この日、聴きに来たみんなが願っていることだろう。

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コメント

お二人の唄は「民謡で今日拝なびら」ではよく聴いていましたが、ナマ唄を聴くのは初めてです。ユキさんは73歳と思えない、ハリと艶とのびやかさがある声ですね。実さんはどっしりとして落ち着いた感じに御見受けしましたが意外とお茶目な方なんですね。予定では30分のライブのはずでしたが、あれよあれよといううちに50分近く唄われました。このライブのためだけに宮古島から来るなんてスゴイ人気ですね。
実さんは「次、何歌う?なにかあれば言って」とお客さんにリクエストを求めたりして「本部ナークニー」「かいされー」の声が飛び、披露してくれましたね。
お二人は本部と今帰仁の出身ってレキオアキアキさんは言いませんでしたか?本部と今帰仁に連なる唄が唄われたと思うんですけど・・・。私の記憶が確かであれば。民謡に詳しくないのでわかりません。
「ひやみかち館」も毎回お笑いライブとかやってますけど、あの日くらい人が集まれば、事業は続くんでしょうけどねえ。普段はあまり人、入らないんじゃないですか。

「ナークニー」はいろんな「ナークニー」があって本部ナークニーもその一つだから、二人の出身地ととくに関係ないと思います。ただ、この2人の歌うナークニーはとっても味わいがありますね。実さんは、愛嬌があって人間味豊かな人でしょう。孫の知念さんが、「観光客もいるからウチナーグチでは分からないよ」といっても平気でウチナーグチでしゃべってましたが、こだわりがるんでしょう。
 「ひやみかち館」では、最高の入りじゃないかな。いい人をやれば集まるから、なくさないで続けてほしいですね。

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