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2012年2月 3日 (金)

仲村渠樋川を再訪する

 南城市の代表的な井泉である仲村渠樋川(ナカンダカリヒージャー)を久しぶりに訪ねた。国指定重要文化財になっている。

040  この集落の共同用水施設である。古くは「うふがー」と呼ばれた。大きい井泉という意味である。大正元年(1912)にそれまで木製の樋だったのを、琉球石灰岩などを用いて造り替えたという。井泉でヒージャー(樋川)と名のつくものは、通常、水源が奥にあり、それを樋を用いて導水しているところを指す。
 036 このあたりの地形は、上に広がる高地から、海岸に向かって急坂で降りてくる途中にあたる。だから高地で降った雨が湧き出るのだろう。今年は雨が多いのに、なぜか樋川は水が枯れてほとんど出ていない。
 三か所の水の出口のある場所は「いきががー」と呼ばれる男性用の水場だ。男性を「いきが」という。その右に「いなぐがー」がある。女性用の水場である。女性は「いなぐ」と呼ぶ。
 037  こちらは少し狭い。でも、石積みで仕切られている。多分、昔は水浴びなどもするため、見えないように仕切ったのではないだろうか。「沖縄の湧水を歩く」でも紹介した。宜野湾市の森の川や喜友名泉にも、円形や三角形で仕切られた場所があった。それと同じではないかと思う。 039  珍しいものがあった。五右衛門風呂である。他の井泉ではあまり見たことがない。これは歴史がそれほど古いとは思われない。ただ、説明によると、共同風呂は、発掘調査により発見された出土品などをもとに復元されたそうである。
 拝所もある。樋川が立派だからか、拝所も立派だ。住民にとって水は命のもとであり、どこでも祈願の対象である。

035  仲村渠樋川は、男女の水場と広場、拝所、共同風呂、カービラ(石畳)によって構成されている。敷地北側からの湧水を貯水槽に貯え、水場へ流して使用されていた。041  石畳道も見事だ。もう石畳の坂道が芸術品のようである。
 このヒージャーは、昭和30年代に簡易水道ができるまでは、飲用、洗濯、野菜洗い、水浴びなどの生活用水として利用された。いまは、農業用水に利用している。
 043  石段を降りて、一段低くなっている場所が、イモ洗いのところだという。イモは土がついているので、この低い場所になったのだろう。ここからはもう排水溝につながっている。
 排水溝の前、右側に置かれた穴のあいた石板は、排水溝の手前の出張った門のようなところに、石板を差し込んで、水をせき止めて貯めるためである。044  沖縄戦では、このヒージャーも共同風呂周辺が破壊され、昭和39年(1964)に仮の改修がされ、平成16年(2004)に復元工事で、大正2年(1913)当時の樋川の状態に復元されたとのことである。これらは、説明板によった。033  このヒージャーもまだ高い場所にあるので、眺めが抜群によい。ここから、少し東に回ると、もう一つの有名な井泉である垣花樋川(カキノハナヒージャー)に行けるが、今回は時間がないし、前に見ているので止めた。

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コメント

仲村渠ヒージャーは、移住してきた時に知り合ったウチナーンチュに「ここに住んでいる人は、みんな見に行くんだよ。いいところだから見ておきなさいよ」と言われたところでした。垣花ヒージャーと受水走水と並んで、有名な場所ですね。水が枯れていたのは残念です。今年は雨が多くて、枯れる原因がわかりませんねえ。
 仲村渠ヒージャーは、いつ頃できたんでしょうか。南山時代からあったのでしょうか。坂は石畳で美しいけれど、水汲みは女子供の仕事でしたから、下って来るのが大変で、水を持ってあがるのも大変でしたでしょうね。イモ洗いばとか、五右衛門風呂とかの跡を見ると、生活のにおいがうかがえて、すごく身近な感じです。
 ヒージャーめぐりはいいですね~。

 まあ沖縄の名泉の一つですね。いまのように立派な石積みと石造りの樋川に整備されたのは、それほど古くないかもしれないけれど、湧水としては住民になくてはならないものだから、この仲村渠の集落ができたころから、この井泉は知られて利用されていたんじゃないですか。南山時代には井泉として使われていたでしょうね。
 湧水のあるところって、ただの平地ではなく、坂道や階段で降りるところが多いから、水汲みの女性の苦労がしのばれます。生活の場であり、また村人のユンタクや憩いの場でもあったでしょう。大きなガジュマルの木があり、夏でも涼しそうですから。

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