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2012年2月 8日 (水)

沖縄の花だより、その5

番外編。沖縄の桜の不思議   

 沖縄の桜は、大和の桜と違う不思議がいろいろある。
 その1。なによりソメイヨシノは沖縄にはなくて、カンヒザクラであること。色は白ではなく、ピンクであること。ピンク一色だと、桃の花みたいだ。ただし、同じ木で、ピンクと白が混じって咲いていることがかなりあるのも変である。

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 その2。桜前線は南下する不思議。一度寒さがきて、暖かくなってきて咲くので、沖縄でも一番気温の低い北から咲く。それも山の上から咲きだす。だんだん低い所に降りてくる。北から順次、南でも咲きだす。2011年も、沖縄本島では、1月7日に開花宣言が出たが、もっと南で暖かい石垣島は12日に開花したという具合だ。沖縄では、桜は春ではなく、冬の花なのだ。これが一番の不思議である。それに、梅と桜は開花の時期にあまり差がない。

 その3。花が釣鐘状になっているので、下に向かって咲く。花びらが散るといっても、ソメイヨシノのように、風に花びらがヒラヒラと舞う光景はない。釣鐘状の花全体が、ボトリと落ちるので、あまり風情はない。したがって、大和のように、桜吹雪が舞うとか、水面一面に花びらが浮くなどという光景はない。そこいらに、ボトリ、ボトリと落ちている。

その4。大きな木がない。ソメイヨシノは大木がけっこうある。でも、沖縄戦で焼けた木も多いかもしれない。それにしても、小さな木が多い。八重岳はさすがに古い木が道路の両側に並木になっていて、桜の木のアーチになっている。木の成長が悪いのではない。沖縄は台風がよく来て、風が強いので樹木は上に伸びては折れるから、しっかり根を張り枝を横に伸ばす。桜の木も、ずんぐりしている。大和のソメイヨシノのような大木は、ボキッと折れてもたないだろう。
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その5。桜の美しさを歌った唄がほとんどない。大和では、いまも「桜歌ブーム」かと思うほど作られている。昔から、和歌でもよく詠まれている。でも、島唄には桜を歌った曲はほとんどない。琉歌はあまり知らないが、わずかに舞 踊曲「貫花」の「竹富節」に「川に流れる桜花をすくいとり貫いて花飾り(レイ)を作ろう」という歌がある。でも、カンヒザクラで、貫花は作れないと思う。不可解な歌詞である。大和では、長い冬が終わり、春が来ると桜が満開になる。いかにも春の象徴である。でも沖縄では、冬もいろいろ花があり、桜といっても特別の花ではない。唄がないのはそのためだろう。
 その6。桜の木の下で、お花見をしない。沖縄は、よく野外に出て、飲んだり食べたりする。月見も盛んだ。でもお花見はしない。「花より団子」とばかりに、花の下でブルーシートを敷いて、宴会をして騒ぐ、なんていう東京の光景など、ばか騒ぎに
しか見えない。
 沖縄の桜祭りといえば、花を見て、舞台の芸能発表を楽しむ。まあ、大和でもお花見をしない地方も結構あるらしいので、お花見がどこでもあると思うのが間違いのようだ。

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  その7。メジロが花の蜜を吸いに群がる。これは、ソメイヨシノでもある。でも、東京ではメジロそのものがあまり見かけない。だから花見に行ってもメジロが来る姿は見た記憶がなかった。沖縄は、とにかく桜の季節には、メジロが群がるように集まる。どこからこんなにたくさんやってくるのか、と思うくらいだ。
 その8。花が終わると、サクランボがとてもたくさん実をつけ、真っ赤に色づく。一見して美味しそうに見えるが、種ばかりで食べるところがない。メイヨシノも実をつけるようだが、残念ながら見た記憶がない。
 その9。ソメイヨシノはたいてい、お城が桜の名所であるが、沖縄の城跡は、桜の名所と言えば、今帰仁城跡か名護城跡ぐらい。世界遺産の首里城も勝連城跡も中城城跡も座喜味城跡も、桜はほとんどない。庭園の識名園にもない。
 その10。桜見物のツアーに、たんかん狩り、ひまわり祭がいっしょに組まれること。たんかんとは、ミカンの一種である。ミカンといえば大和では秋だろう。でも沖縄は冬の今がシーズンだ。大和では春、夏、秋の花と果物が、沖縄では、冬に一緒楽しめるというのが、また不思議である。                   

 

おまけ

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 これはメイフラワー。
 公園の管理人に教えてもらった。メイフラワーといえば、イギリスからアメリカへの移住者が乗った船として有名だ。花はこれと無関係で「5月の花」の意味だ。別名「花吹雪(ハナフブキ)」。この名前がピッタリくる。南アフリカ原産だとか。沖縄では3月に咲く。よく見かける。多分暖かいからだろう。
 でも、大和ではメイフラワーといえば、西洋サンザシの変種で「八重紅花」という花のことを指す。まったく別の花だ。造園家の仲程路芳氏によれば、メイフラワーはいくつかの花の通称で、一般的にはバラ科のサンザシやツツジ科のアメリカイワナシを指す。どちらも寒冷地の花なので沖縄では咲かない。写真の花は、シソ科のイボザのことで、和名をフブキバナというそうだ。同じ名前でも花はいろいろあるようだ。
 さて、まだまだ花はある。花の街路樹がいろいろあるので、別編にしたい。
             (終わり 二〇一二年一月八日 文責・沢村昭洋)

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