アルテで今帰仁天底節を歌う
音楽好きが集い、自由に演奏できるアルテ・ミュージックファクトリー。2月のテーマは「冬」だった。沖縄民謡では、冬の歌は案外少ない。季節語が入っていないが、「今帰仁天底節」を選んだ。
この曲は、今帰仁(ナキジン)村の天底(アミスク)に生れた女性が、家が貧しいため叔母を頼って7歳の時に大阪に行く。叔母の家も貧しかったのか、冷たくされる。罪のないのに朝夕、鞭で打たれる。泣く泣く出されて花街に落ちていく。心では泣きながら、顔では笑って、知らない客を相手にする、花街の女の辛さ、悲しみを歌っている。
曲を通して、冬のような寒々とした情景が浮かぶから、これを選曲した。
アルテで1人で演奏するのは3回目。でも、まだ本番で三線を弾きはじめると、自由に手が動いてくれない。三線は難しくない曲なのに、ミスが続く。歌詞の3番あたりから、やっとまともに動き出した。
歌は、花街に落ちていかざるをえなかった女性の哀しみに思いを込めて歌った。前は、歌いながら、うるうるすることがたびたびあった。気持ちが入るからだ。
ファクトリーが終わった後の打ち上げ会で、宮古民謡の名手から「三線は何年弾いているの。よかったよ」と言ってくれた。他の人からも「胸に響きましたよ」「この曲は知っていても、そのいわれは知らなかった」など感想が寄せられた。
それにしても、三線が普段の稽古通りに弾けるのはいつの日か。難しい!
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コメント
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アルテファクトリーは腕を競う場ではなく、音楽の楽しさをみんなで共有しあう場だから、うまい、下手は関係ないですよ。心がこもっていることが大事じゃないですか。手が動かなくても、アキアキさんが楽しく弾けたかどうかが大事だと思いますよ。それにみんなから共感を得ていたじゃないですか。
選曲もよかったと思います。でも民謡で冬を謡った唱がないのはなぜでしょうか。というか、春夏秋冬という「四季」そのものを謡う民謡ってないんじゃないですかね。
「今帰仁天底節」は以前、rbciラジオの「昼ワク!」という番組で、収録中に突然古謝美佐子さんが乱入して来る曜日があって、ある日美佐子さんがきたので、さっそく私はメールし、「今帰仁天底」をその場で歌ってもらったことがあります。彼女の情唄もなかなかいいですね。
来月のアルテも頑張りましょう。
投稿: いくぼー | 2012年2月17日 (金) 08時37分
そうですね。アルテで歌うのは緊張はするけれど、楽しいですね。「今帰仁天底節」は、古謝美佐子何の歌はいいでしょうね。この唄は、けっこう好きな人がいますよ。
冬の歌は、「芋の時代」で「冬の寒い雨の日」、「恋の花」で「庭に雪が降っている」とか、「童神」でも「冬の時期が来れば懐に抱く」というように歌われてはいます。
四季をテーマにした曲は、ズバリ「四季の喜び」があります。ただ、四季の様子は、沖縄的というより大和的。「秋は野山の紅葉に」と歌われるから。アルテのテーマは、ただその言葉が入っているかどうか以上に、内容が重なっていればいいと思います。
投稿: レキオアキアキ | 2012年2月17日 (金) 08時50分