三線を楽しむ会を楽しむ
毎月恒例になった三線を楽しむ会。宮古民謡の名手、Tさんを中心に今月は6人集った。大工哲弘さんの教室で習う人から宮古民謡、本島の民謡、ギターと両方出来る人まで、同じ三線好きといっても、バラエティーに富む。
はじめてお会いしたKさん。八重山民謡の「つんだら節」「鷲ぬ鳥節」ほかを披露した。強制移住で恋人と引き裂かれ、山上から故郷と恋人を思い続けるうちに岩になった「野底まーべー」を歌った「つんだら節」は、胸に染みいるようだ。 宮古民謡が得意はAさん。お名前を覚えられなかった。失礼! 宮古の代表曲「なりやまあやぐ」ほかを演奏。7月にはコンクールがあり、課題曲になっているとか。三線も唄も上手だと聴いた。ただ、コンクールで審査にもあたる名手のTさんにいわせると「このままではまだ合格にならない。あと3か所、節回しを直せば合格できる」。ご本人も「3か所ですか。15か所かと思ったけれど」と応える。あと3か所で合格とは、上々ではないだろうか。
TNさんは、得意の「ゆたから節」「浦波節」「ヤッチャー小」ほかを弾き歌う。三線も上手いし、声も歌もいい。それに、歴史と民謡についてもとても詳しい。私のブログも読んでくれていて、一緒になると、歌三線以上にゆんたく(おしゃべり)に夢中になる。
「ゆたから節」は、一番の歌詞が「すみなし節」と同じで、曲想も似ているので、続けて私も「すみなし節」を歌った。「ヤッチャー小」は、編曲されて「門(ジョウ)たんかー(具志川小唄)」になっているので、これまた、続けて「門たんかー」も歌ってみた。
Uさんは、ギターがとても上手い上、三線も上手。ギターの上手い人は、三線も弾きこなせる人が結構多い。テクニックはギターが難しいから、応用ができやすいのだろうか。「おじい自慢のオリオンビール」「涙そうそう」など披露した。軽快な早弾きもお手のものだ。
さて、自分の番になると写真が撮れない。撮影を頼もうと思っていたのに、歌う番になると、すっかり忘れている。というわけで、前に歌った時の写真をのせておく。
Uさんから「今帰仁天底節をまた歌って下さい」と要望があり、歌った。ほかにも「肝がなさ節」「無情の月」「安里屋節」「月ぬ真昼間節」など歌ってみた。あまりいろいろ手を出して歌うので、Tさんから「民謡なんでも知ってるね。やまとぅー(内地人)なのにー」と評される。下手の横好きというのだろう。この日は、集まった人が少なかったので、出番が多かった。
いよいよTさんの登場。われわれ下手な者は何回も出たがるが、真打というか名手は、1回切り。宮古では、正月や祝いの席とかで必ず歌う「とーがにあやぐ」ほか3曲を披露した。さすが、とっても味わいのある歌であり、三線も表現が深い。Tさんの演奏を聞けるだけで、この場に来る価値がある。本当は、もっと聴きたいところだ。
「遅い時間になると、近所からうるさいという苦情が警察にあげられるから、大声を出さないように歌おうね」。声を抑えて歌うと余計、渋い歌声になり魅了される。
少し人数が少なかったが、歌三線の愛好者が気軽に集い、歌い、語らえる場があるのは、素晴らしい。
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コメント
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こういう場所には私のように、唄は歌えても三線を弾けない人が行ってもつまらないでしょう。
来月のファクトリーにはまた唄三線の出演者が増えればいいですね。
TNさんは味わいがあるし、Tさんは本当に声のはりもあるし、三線もうまいし、Uさんは「元祖りゅうたんボーイズ」ではクラシックのリードギターめちゃくちゃうまいうえに三線まで弾けてすごいですし、コンクールに出る人までが集まるとは、多彩な顔ぶれですね。「野底まーぺ」のことを歌った民謡は聴いたことがありません。ぜひ聴きたいものです。
今度「楽しむ会」全員でファクトリーで弾いてみては?手を合わせるのが大変かもしれませんが。毎週火曜日の夜も「三線を楽しむ会」になっているようですので、練習できるじゃないですか~。
楽器ができる人は羨ましいですね~。しかも唄つきだから!ピアノ弾き語りは難しいですよ~。(泣き)
投稿: いくぼー | 2012年5月27日 (日) 10時52分
そうですね。三線を弾かない人は、歌を歌えてもいまいち寂しいかもね。
アルテ・ファクトリーは、テーマがあるから、民謡ではマッチする曲が少ないのが難点かもね。でも同じ歌三線仲間が増えると嬉しい。「三線の会」では集まれば、合奏もしているけれど、ファクトリーに一緒に出る話はまだないですね。
いくぼーさんもピアノが上達しているようですので、弾き歌いももう少しでしょう。練習を重ねれば、練習は裏切らない。必ず結果は出ますよ。
来年の今ごろは、ファクトリーで、ピアノの弾き歌いで魅了できるようになっているでしょう。
投稿: レキオアキアキ | 2012年5月27日 (日) 11時05分