エイサー曲は面白い、「継母念仏」とは
袋中上人が琉球で、母親と先祖への感謝を分かりやすく説くため、念仏歌をつくったことを先に書いた。その念仏歌が「継母念仏」(ママウヤニンブチ)である。
南風原(ハエバル)町喜屋武(キャン)のエイサー歌に「継母念仏」が残っている。長いので、原文ではなく、口語訳で紹介する。
那覇市国場の念仏エイサー
昔は、旧盆には6つの念仏歌が歌われていたそうだ。「継母念仏」「親ぬ遺言」「天地の世界」「大和の山伏」「仲順流れ」「親の御菩薩」だが、いまでは「継母念仏」しか残っていないという。「南部広域市町村圏事務組合」のホームページから紹介する。少し手直しした。
①3歳の頃には親を失って、5歳になったので親を思い出して、
7歳になったので、親を探しに
②国中いたるところをめぐっても、わが親の姿はおがまれない、昔の長者に会ったので
③大主様、大主様、ちょっと待って下さい
子どもよ、なんで私を呼び止めるのか 子どもが呼び止めるとはただ事ではない
④お前のお母様はそう簡単には会えないよ、
7月の七夕と中の十日には、あの世の七門が開くので
国場の念仏エイサー(文章とは関係ない)
⑤阿弥陀七門が開くから、竹の管を沢山準備して、右の袖で顔を押し隠して
⑥左の袖で顔を押しはろうて、この竹穴から一目拝んだら、
なんで母親上はこんなところにおられるのか
⑦わが子よ、なんでここに来たのだ、
最近は親が妻をめとって継母にうつつして、我が身は苦しい
⑧我が身の命がもちません、私も母上と一緒になりたい、
どうして愛しい子よそういうのか
⑨お前だけを跡継ぎにと産んであるのに、そういって授けてある、
折り目折り目に湯水も供えてくれ
⑩正月には水のお初、7月にはお茶のお初、甘藷、なすびは飾り物
⑪茗荷(ミョウガ)やそんがん、飾り物、あの世の宝はみんぬくだよ、
この後何をするかと思えば
⑫後生の剣の山を登るとき、これを撒いて渡るのだ、冬の霜立ちをただの雨と思うな
⑬愛おしい母上と涙と思え、蜻蛉(アケズ)が飛び回ったら母上と思え、
蝶(ハベル)が飛び回ったら受け取れよ、
南無阿弥陀仏は、弥陀仏 四八流れの念仏は、親の供養となる
喜屋武のこの唄は「継母念仏」(仲順流れ節)と書かれている。題名は異なるが内容は同じものということだろうか。
ここにエイサーの原型があるのだろう。
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