美空ひばりには3曲平和の歌がある
美空ひばりの「花風の港」の歌碑についてブログに書いた。そのなかで、ひばりの反戦歌「一本の鉛筆」を紹介した。
これも見たある方から、「ひばりさんには平和を歌った曲が3曲ありますよ」と教えてくれた。「一本の鉛筆」は聞いていたが、他の2曲は聞いたことがなかった。その2曲とも、録音を送っていただき、聴くことができた。いずれも平和への願いが込められたよい曲だった。2曲について、紹介したい。
1曲は、「8月5日の夜だった」。これは「一本の鉛筆」のB面だった。「一本の鉛筆」と同じ、脚本家の松山善三作詞、佐藤勝作曲である。8月5日とは、広島への原爆投下の前夜にあたる。
「♪かすりの着物 赤い帯 提灯ポッカリぶら下げて 橋のたもとに影法師 二つ重ねた指きりの 8月5日の夜だった あなたはどこに あなたはどこに」
「♪女心は綾結び ホタル一匹闇をさく 橋のたもとの願い事 いつかあなたのお嫁さん 8月5日の夜だった あなたはどこに」
翌日にこの世の地獄が訪れるとは、夢にも思わなかった。若い二人が橋のたもとで交わした指きり。お嫁さんになる約束⋯⋯ 翌朝、一瞬にして無惨な夢となった。
8月5日の夜、戦時中とはいえ、ヒロシマで多くの市民が明日の悲惨な被爆など夢にも思わず暮らしていただろう。そんなことを思い浮かべながら歌を聴くと、胸にジーンと響いてくる。
もう1曲は「白い勲章」。宅島徳光作詞、美空ひばり補作詞、船村徹作曲である。
宅島さんは、海軍飛行予備中尉で、遺稿集「くちなしの花」で、その中で恋人を思って綴った詩がこの曲のもとになっている。宅島さんは、訓練中に事故死(24歳)だったそうだ。(ネット「うたごえ喫茶のび」から)
「♪俺の言葉に泣いたやつが一人 俺を恨んでいるやつが一人 それでも本当に俺を忘れないでいてくれるやつが一人 俺が死んだらくちなしの花を飾ってくれるやつが一人 みんなあわせてたったの一人」
「一本の鉛筆」についても、もう一度アップしておきたい。。
松山善三作詞、佐藤勝作曲。1974年に開かれた第1回広島平和音楽祭でひばりさんが歌った。
「♪一本の鉛筆があれば 私はあなたへの愛を書く
一本の鉛筆があれば 戦争はいやと書く
一枚のザラ紙があれば 子どもがほしいと書く
一枚のザラ紙があれば あなたを返してと私は書く
一本の鉛筆があれば 8月6日の朝と書く
一本の鉛筆があれば 人間の命と書く」
ユーチューブでは、「一本の鉛筆」は見ることができるが、「8月5日の夜だった」「白い勲章」はアップされていない。
美空ひばりは、横浜に生れ、太平洋戦争の恐ろしさは決して忘れることができないと語っている。平和への思いを心の奥に抱いていた歌手である。
小笠原和彦著『美空ひばり 平和をうたう』という本がある。読んでみたい本である。
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