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2012年9月 1日 (土)

歌碑のある風景、捕虜収容所で作られた「屋嘉節」

捕虜収容所で作られた「屋嘉節」

沖縄戦の中や戦後、各地に軍人を対象とする捕虜収容所や民間人の難民収容所がつくられた。なかでも、金武町屋嘉(キンチョウヤカ)にあった捕虜収容所は、民謡の屋嘉節に歌われて有名である。国道329号線を走ると、屋嘉ビーチバス停の横に、収容所跡の碑がある。碑文のあらましを紹介する。

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 第二次世界大戦中、米軍はこの地に捕虜収容所を設け、投降した日本軍将兵約七千人を収容して厳しい監視下におかれた。一時捕虜の数が増え約三千人がハワイに移送された。その時の将兵等はPWと呼ばれ敗戦の悲哀の中から、郷土出身の一兵士により「屋嘉節」が作られた発祥の地でもある。
 この収容所は1946年(昭和21年)2月、閉鎖となり、米軍保養所となって1979年(昭和54年)8月31日、全面返還されるに及んだ。
 捕虜収容所の辛い日々の中で、慰めと楽しみは、民謡や踊りだった。空き缶を使ったカンカラ三線が作られた。「PW無情」「屋嘉節」など作られて歌われた。収容所跡の碑の裏側は、屋嘉節の歌碑になっていた。

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 私が歌っている歌詞と比べると、3番目の歌詞が加わっていることや微妙に表現の違いがあるがほぼ同じである。歌詞のあらすじを紹介する。
 懐かしい沖縄が戦場になった、世の中のみんなが涙を流している。涙にぬれながら恩納岳に登って戦争をしのいだ。戦争が終わり、恩納岳を降りて伊芸村(イゲイムラ)を過ぎて、今や屋嘉村の捕虜収容所に連れて行かれ泣いている。哀れ屋嘉村の闇夜のカラスよ、親のいない私は泣かずにいられない。愛しい彼女は石川村の茅葺の長屋にいる、私は屋嘉村の浜で砂地を枕に寝ている。心に染みいる4本入り煙草、淋しさを月に流している。いまは屋嘉村の枯れ木も、やがて花咲かせる時節も来るだろう。

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 歌碑のすぐ前は屋嘉ビーチである。いまは捕虜収容所のあった面影は、歌碑以外にはみられない。でもビーチは、当時とそんなに変わっていないだろう。この砂地を枕に寝たのだろうか。

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 バス停横には、もう一つ碑がある。久高村住民強制疎開之記念碑である。
 次の琉歌が刻まれている。
「戦世の故に 生まり島はなり 屋嘉村の情き 忘してならん」
 戦争のために生まれ島の久高島を離れさせられた でも屋嘉村で受けた情けは決して忘れてはならない、という意味だろう。「並里仙人詠む」と記されている。
 久高島は、南城市の沖に浮かぶ小さな島だ。琉球開闢の祖といわれるアマミキヨがいた。神の島と呼ばれる。古い拝所や祭礼、民俗が残り、島の土地は個人所有ではなく、住民の共有であることでも知られる。

 いま島に行ってものどかで、とても悲惨は歴史があったと思えない。数年前島に渡ったけれど、強制疎開の話は、知らないままだった。

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碑文を紹介する。
 昭和20年(1945)太平洋戦争により久高島の住民は強制立退き命令によって生まれ島を離れ、疎開先である屋嘉に移り、当地の皆様に大変お世話になった。よって、ここに感謝の意を表し、久高島強制疎開の事実を、戦争というものの実態と共に後世に永く語り継ぎ、平和を守る礎と資する力となることを願って記念の碑を建立した。
 2006年9月20日竣工。まだ5年前に建てられたばかりである。この碑のおかげで、久高島の強制疎開の史実を知ることができた。
 いくら沖縄が戦場になったからといって、久高島のような小さな島の住民を本島に強制疎開させる必要はなかっただろう。日本軍による無謀な命令の犠牲である。やはり、碑文がいうように、こういう事実を永く語り継ぎ、平和を守っていくことが大切だと改めて思った。

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