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2012年9月 7日 (金)

歌碑のある風景、歌が流れる「梅の香り」歌碑

歌が流れる「梅の香り」歌碑

 沖縄民謡の名曲に「梅の香り」がある 。沖縄に来て、三線を弾き出してすぐこの曲を知り、魅力にとりつかれて、毎日弾いていた。新川嘉徳氏が作詞作曲した。出身地の西原町小那覇(おなは)に、顕彰碑があるので出掛けた。

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 児童公園の一角にある。そこには、梅の木が植えられ、白梅がちょうど咲き誇っていた。碑を訪ねるには、もっともふさわし時節だ。
 中央に歌碑があり、右に新川さんの顕彰碑、左に「梅の香り」の歌詞が刻まれている。
 この曲の歌詞は、1~4番まである。要旨を紹介する。

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  「朝夕水をかけ、心をこめて育てた梅が咲くのはいつだろうか、奥山の花も季節を
待って咲く、梅が咲かないはずがない。さあ咲いた初花の香りのいいことよ」。清楚で美しい梅の花と香りをほめたたえた唄である。
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 1937年にレコードが発売された。「琉球音楽に洋楽の影響が潜み、グローバルで斬新な曲と評価され親しまれている」。顕彰碑では、こう記されている。
 そういえば、沖縄民謡ではあるが、他の曲とは曲調がまるで異なり、どこかセンスがよく、それが魅力として感じていたようだ。やはり、洋楽の影響があるという。それは、経歴を見れば納得がいく。

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 1899年2月10日に生れた新川氏は、14歳でハワイに渡った。一旦帰郷したのは1936年だから、20年余りハワイなど外国暮らしをしていたようだ。沖縄から戦前、たくさんの人たちがハワイへ移民として出掛けた。ハワイで、働きながら電気機械工学を学び、蓄音器関連の発明で、米政府から特許もとった。蓄音器の針を自動交換する仕組みだという。その一方では、音楽にも関心を持ち、演奏会なども行っていた。  
 電気機械工学の知識があり、音楽でも作詞、作曲、演奏まで行うとは、とても豊かな才能を持っていたのだろう。
 ところで、「梅の香り」に親しみだした時から、不思議だったのは、沖縄にはあまり梅の木がない。あるけれど少ない。それに、大和では、寒い冬を過ぎて、梅が咲き出すと「梅一輪、一輪ほどの温かさ」の句がすぐ頭に浮かぶように、春の兆しを感じる花である。でも、冬でもいろんな花が咲く沖縄で、梅への思い入れはあまりない。なのに、これほど、梅への思いを込めた唄がなぜ、できたのだろうか、と思っていた。041
 新川氏は、14歳で沖縄を離れ、1936年にいったん帰郷した後、大阪に渡り、「梅の香り」などの新作レコード吹き込みを行ったという。沖縄だけでなく、外国暮らし、大阪などの生活を体験しているので、こうした「梅の香り」のような曲が作れたのだろう、と自分で
勝手に納得した。新川氏は、他にも「平和行進曲」を広島市平和文化センターへ寄贈したというから、平和への思いも深かったのだろう。
 この顕彰碑のある場所で、一番の目玉は、実は「梅の香り」の唄が聞けることだ。写真に見るように、赤いボタンを押すと、録音がスピーカーから流れる。しかも、3種類の歌手の録音がある。せっかくだから、全部聞いてみた。古いのは、なんと1939年の録音だ。さすがにシャリシャリと音を出しながら唄が流れる。あとの2つは、2006年のもの。有名な女性歌手、古謝美佐子さんの唄も聞ける。周りの住宅にうるさがられないか、心配しながらも、全部聞いてみた。

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 この録音は、なんと小那覇では、正午を知らせる時報代わりに流れるそうだ。
 これらの顕彰碑は、有名な「梅の香り」を作った新川氏が、小那覇の出身だと知った地元の有志が歌碑建立実行委員会を立ち上げ、10年前の2001年に建立した。唄が聞ける装置だけは2006年に追加して、設置された。
 2002年からは毎年、「『梅の香り』うた遊び大会」を開いているという。一度、聞いてみたいものである。

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