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2012年9月 8日 (土)

歌碑のある風景、県民を鼓舞した「ヒヤミカチ節」

県民を鼓舞した「ヒヤミカチ節」

 沖縄民謡「ヒヤミカチ節」をつくったことで知られる山内盛彬の生誕120年を記念して建立された歌碑が完成した。それで沖縄市に出かけた。 
 「ヒヤミカチ」とは「えいっと気合いを入れる」意味のウチナーグチ(沖縄語)である。戦禍にあえぎ、米軍支配に苦しむ戦後の沖縄で、県民を鼓舞するのに一役かったのがこの民謡だった。 

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 歌碑建立実行委員会がつくられ、資金集めをして、完成して除幕式が2011年3月27日に行われたばかりである。碑が建立された場所は、沖縄市胡屋の沖縄長寿センター「緑樹苑」の敷地内である。なぜこの場所なのか? 
 それは、山内さんが、1979
年に建設された緑樹苑に最初に入所し、妻ツルさんとともにここで過ごしたという。同施設を運営する緑樹会の金城和昌理事長は「1年8カ月の(施設の)生活で山内さんは古謡を行事の折々に歌い、利用者間の親睦に努められた」と話している(「琉球新報」4月15日付)。

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 歌碑は、ひらがなの「ひやみかち節」の歌詞と、この曲の五線譜が刻まれている。珍しい歌碑である。前にもブログで書いたように、この歌は、沖縄自由民権運動の活動家で、ハワイからアメリカに移民として渡った平良新助さんが、戦後、沖縄に帰ってきて詠んだ琉歌に山内氏が作曲した。上が歌碑の歌詞である。
 歌詞は、1番が平良新助、2番、3番が山内盛彬の作詞である。歌詞を自己流の解釈で紹介しておきたい。
 「♪七転び転び、気合いを入れて起き上がり、われらの沖縄を世界に知らせよう」
 「♪花が咲いた美しさ 音楽の鳴りひびく美しさ 聞かせよう世界に 音楽の腕前を」
 「♪私は虎だもの 羽をつけて下さい 波路太平洋を 飛び渡って見せよう」
 五線譜は、前奏からではなく、歌の部分の楽譜である。
 この曲が誕生したエピソードを『山内盛彬著作集第3巻』から紹介しておきたい。
 戦後、東京にいた山内氏の家に恩人の玉代勢法雲先生が見えて「大戦で打ちひしがれた人心を復興するには、この歌を作曲して奮い立たしたらどうか」作曲を勧められた。
「その歌を一回見るや、その熱意に動かされ、ヨシー、ヒットして同胞の目をさまそうと決意した。作曲というものはその意欲のクライマックスの感じをとらえることだ」。この歌が、多くの人の心をとらえ「燃えひろがったのは、平良氏の情熱の結晶した結果」だと記している。021
 しかし、山内氏自身が、平良に負けないような県民を奮い立たせる歌詞をつくっている。
 この曲のいきさつを知った当初は、平良が作詞し、山内が作曲したと単純に思っていた。でも実際は山内氏も作詞した。
 歌碑には、山内氏が80歳のときに詠んだという琉歌も刻まれている。 
「滅びゆく文化 忍で忍ばれぬ もちと命かけて譜文に遺さ」。山内氏の自筆だという。
 立派な歌碑が完成したことで、山内氏もグソー(あの世)から見て、きっと喜んでいるだろう。
 山内盛彬も、「ヒヤミカチ節」が、高校野球の興南高校の応援歌になったり、東日本大震災の被災者を支援する歌になったりしていることまでは、予想できなかっただろう。 下写真は「ヒヤミカチ節」を歌う登川誠仁(NHK沖縄のテレビ画面から)011  
 でも、沖縄民謡は、よい曲はすぐに替え歌をつくり歌ったり、歌詞をつくって付け加えたりすることは、ごく当たり前のことだので、なにも驚くことではない。
 それにしても、私が練習している「ヒヤミカチ節」の工工四(楽譜)では、この歌碑の歌詞よりも先に、平良、山内両氏以外の人が付け加えた歌詞が先に出てくる。でも本来は、この歌碑にある歌詞で歌うのが、この曲の精神にあっているではないだろうか。

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