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2012年9月22日 (土)

「ひめゆり学徒隊」の歌はいくつあるのか、その3

 「ひめゆり学徒隊」をテーマとして歌に、混成三部合唱「ひめゆりの塔」もある。山本和夫作詞、岩川三郎作曲である。ユーチューブでも、杉並混声合唱団による合唱がアップされている。

 ひめゆり学園の卒業式の歌「別れの曲」はよく知られている。「想思樹の歌」とも言う。
 「♪目に親し 想思樹並木よ 行き帰り 去り難けれど 夢のごと 疾き年月の
 行きにけん 後ぞくやしき]
 「学舎の 赤きいらかも 別れなば なつかしからむ わが寮に 睦みし友よ 
忘るるな 離り住むとも」

 生徒らが戦場に動員された1945年、卒業生に送る歌として作られたという。音楽教師だった東風平恵位(コチンダケイイ)助教授が作曲、福島出身の陸軍少尉、太田博作詞。
 ひめうりの乙女たちは、この歌を口ずさみながら死んでいったそうだ。
 太田少尉は、青年詩人だったとか。この後、25歳で亡くなった。東風平助教授も、いま「ひめゆりの塔」のある壕で亡くなったという。

Photo          県立第2高女でつくられた「白梅学徒隊」の「自決之壕」の碑

 沖縄民謡には「姫百合の唄」がある。
 「♪広く知られた沖縄の 犠牲になった女学生 姫百合部隊の物語」と始まる。
 歌は10番まであり、物語はだんだん残酷な戦場を反映するリアルな内容に変わっていく。

 「♪何時か敵は上陸と 聞いた時には姫百合も 共に散ろうとひとしずく」

 「♪無理に心を励ませど 体をささえる食もなく のどをうるおす水もなし」

 「♪焼けて飛び散る我が郷土 見るにしのびぬ焼野原 天地に神も召しませぬ」

 「♪根気も意地もつきはてて 死なばもろとも姫百合は 散って惜しまぬ若桜」

 「♪とうとう玉砕ひめゆりは 地下で共に泣くかしら 淋しく泣いている夏の虫」

 「食もなく、水もない」「根気も意地もつきはてて」、最後は「玉砕」に追いやられる、という悲惨な最期が歌われている。
 「散って惜しまぬ若桜」という歌詞があるが、死を美化する意味ではないだろう。戦争のため命を犠牲にして尽くすという軍国教育と米軍につかまれば惨殺されるという宣伝のため、「自決」「玉砕」に追いやられた悲しい現実をそのまま描いた歌詞だと思う。哀切きわまりない物語になっている。
 
 「ひめゆり学徒隊」の事実は、決して繰り返してはならない悲劇である。それだけに、歌もたくさん作られている。ここで紹介した歌もすべてではない。まだ知らない曲があるだろう。

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コメント

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 「いいね」コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

東風平恵位先生のフリガナが間違えております、正しくはコチンダケイイ先生です

りりさん。コメントありがとうございます。
 ご指摘の通りです。フリガナを訂正しておきます。

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