無料ブログはココログ

« 「ひめゆり学徒隊」の歌はいくつあるのか、その4 | トップページ | 見事なアーチ橋だった真玉橋 »

2012年10月19日 (金)

非道な女性暴行事件、なぜ繰り返されるのか

 米兵のよる女性への集団暴行事件にたいし、県民の怒りが沸騰している。今回は、テキサス州海軍航空基地所属で、嘉手納基地に来ていた2人の兵士による蛮行だった。とくに今回、2人で犯行に及んだことは、たまたま凶悪な兵士が1人いたというのではなく、狂気の沙汰に及ぶ精神状態に集団として置かれていることを意味する。

 戦後、どれほどの少女をはじめ女性が、人権じゅうりの被害を受けたことか。復帰後から2011年までだけで、米軍関係者による女性暴行事件は127件も発生し、144人が逮捕されている。勇気をもって被害を訴えたのは氷山の一角で、実際にはその数倍、数十倍の被害者がいるはずである。
 事件が起きるたびに、米軍も日本政府も「再発防止」「綱紀粛正」を口にするが、なんの歯止めにもならない。

 なぜ沖縄で事件が繰り返されるのか。沖縄の米軍基地は、アジアの戦場と直結している。米兵は、殺人訓練を日常的に繰り返している。訓練によって兵士は「歩く凶器」と化す。人権など眼中にない。しかも、大義のない戦争に駆り出される兵士の、道徳的な退廃は著しい。

 米軍と兵士にとって、沖縄はいまだに血を流して勝ち取った「戦利品」の意識がある。米軍の都合で何をやっても許されると思っている。県民みんなが反対しているオスプレイの配備を強行して、飛び回っていることもその現れだ。兵士も当然、その延長線上にいる。

032              オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会

 米兵が犯罪を犯しても、特権的に保護される仕組みがある。日米地位協定で、米兵は犯罪を行っても「公務中」なら日本は裁けない。「公務外」であっても、第一次裁判権を日本が放棄するという日米密約があるそうだ。実際に2001~2008年に、米兵の強制わいせつでの起訴率は11%、強姦でも、わずか26%に過ぎない(『世界』2009年12月号)。人権蹂躙の性犯罪でも起訴されるのはわずか。なんと、7-9割は起訴されず放免されていることになる

 今回も、犯行の日に、兵士はグアム島に飛び立つ予定だった。もし、米兵が犯行後、基地内に逃げ込み、即刻逮捕できなければ、グアムに逃げ出すところだった。

 重大なのは、日本政府がまったくアメリカの属国のようになっていることだ。県民は、せめて米兵を特権扱いする日米地位協定の改定を、と再三求めているが、まったく耳を傾けようとしない。県民、国民の人権、安全も守ろうとしないことだ。だから米軍はつけあがる。ここに、最大の問題があるだろう。

 米軍の性犯罪は、軍内部でも深刻な実態にある。「同時多発テロ以降、米国は終わりのない戦争を続けている。兵士の心理的ストレスが犯罪を誘発している可能性がある」(「琉球新報」10月19日付)。米軍内でも、2011年度内に性犯罪の被害を届け出た兵士らは計3192人にのぼる。性犯罪の背景に、こういう構造的な問題もあるという。

 加えて、米軍は沖縄をいまだに植民地のように見なしており、県民に対する差別的な人権感覚があるのではないか。同じ人間として、人格を尊重する姿勢があれば起こり得ない。

 「危険なオスプレイが縦横無尽に飛んで、危険な米兵が地上をうようよしているのが今の沖縄か。人権蹂躙もはなはだしい」と県婦人連合会の平良菊会長はのべている(「琉球新報」10月18日付)。県民の憤りを代表する声である。

 狭い沖縄に広大な米軍基地と海兵隊をはじめ大量の米兵が駐留して、日常的に県内をウロウロしている限り、凶悪な性犯罪をはじめ事件、事故はなくならない。もう県民の命と安全を脅かす根源となっている基地は、沖縄からなくしてほしい。安心して暮らせる沖縄を取り戻した。

 

« 「ひめゆり学徒隊」の歌はいくつあるのか、その4 | トップページ | 見事なアーチ橋だった真玉橋 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 非道な女性暴行事件、なぜ繰り返されるのか:

« 「ひめゆり学徒隊」の歌はいくつあるのか、その4 | トップページ | 見事なアーチ橋だった真玉橋 »

最近のトラックバック

2021年11月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30