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2012年11月26日 (月)

沖縄の鍛冶屋、その4

舞踊曲の金細工節

沖縄の舞踊の一つで、男がふいごを担いで遊女を連れて踊る金細工節は単にカンゼークーともいう。主人公は歌の初めにあるように、伊波の屋号金細工のクワティ加那兄で実在の人物でその遺品の金床その他が2、3残っている。(略)

 加那は歌に「クワティ加那兄」と歌われているが、果たしてどの程度のクワティであったのか。伝えるところでは首里奉公中に主人の娘と婚約のあった男が、加那に娘を横取られはしまいかと嫉妬して、クワティと中傷したのでとうとう皆がクワティと呼ぶようになったとも言われている。しかしそれはそれとして、加那も相当のジュリユバー(遊郭通い)にはなっていたであろう。モーサーなるジュリ(遊女)を伊波まで連れてきた程だから。

 昔は田舎では田植がすむと腰休め(コシユックイ)という農家の慰安的行事があった。その時金のある実力者は、ジュリを田舎に連れて来て、村の青年達と共に遊んだと言われているが、加那もその一人であったのである。その時加那は他のジュリ小達も大勢つれて来たが、彼女達は先に帰して二人は恋の逃避行よろしく一月程も伊波に逗留していたのである。ところがやがて歓尽きて二人はまた手をとって辻に帰ったのである。

 この「金細工節」はこの時のことを歌ったもので、沖縄タイムスの芸術総覧によると、中毛芝居時代、瓦屋玉城という役者の作詞で、踊りは玉城盛重氏の代表作の一つに数えられているという。

「金細工節」の歌詞

♪美里間切の 伊波の金細工の 喰丁加那阿兄(クワテイカナフイ) 

大平加那阿兄(テエフアカナフィガ) しやいる事や

※ハヤシ へいよへいよ 胴兼合(ドガネエ) よやさ・さ・さ・ひや・さのさ

♪辻の時の真牛(モウサ) 島の新背達も(ニセタン) 案内無しくに 引きくさい

♪「あい、加那阿兄 一月三十日なる迄 我が兼合や(カネエヤ) 

如何す呉ゆが(イチャスクイユガ)」

♪「世話しゆな、真牛 親の譲りの 鞴(フウチン)も有りよ、金具も有りよ

  おれ売て、阿母(アンマア) 返済(フインセ)しゅんどう」

♪云居る内(イユルウチ) 為居る内(シユルウチ) 上泊鍛冶屋も 走り来やれば

♪「鞴買ひんしやうれ 金具買ひしやうれ 為有んたいまも 買ふゆる人や、
一人も居らん」

♪云居る内 為居る内 泊高橋にや寄せかけて

♪「おい、真牛 汝やおま居て、煙草吹きわいれ 我やあま行ぢ俵銭借て来う

♪「あまや行ぢやくと 喰丁加那阿兄 太平加那阿兄 んで言居ち(ンデンチ)
 惜らしゅる人や 一人も居らん」

♪「あい、真牛 我達男の(ワシタウヰキガヌ) 泊高橋、返り落てら」

♪先づ待て、加那阿兄 去ぢやる三月三日 三貫模合(モアイ)も掛けて
置きやりこと おれ取て、阿母(アンマア)、返済しゅんどう」

♪云居る内 為居る内 西武門(ニシンジョウ)も走ら来やりば

♪「あい、真牛 おまの町屋に置き有る 印(クゥガ)手引も、衣も持ちやり
 汝も先きなれよ

♪云居る内 為居る内 時の門も、走り来やれば

♪「おしたりべら」「誰がや」「此所の真牛ど、添うて来やりんどう」

♪扨(サ)っても、加那阿兄 一月三十日なる迄 我達真牛 
あんす痩(ヨ)う枯らち 

♪「あい、阿母、汝達真牛や 去ぎやる月から 彼にど有たる」

♪「あい、加那阿兄 おれは済むすが 島の苞も(シマヌツィトン)、
兼合も(カネエン) 持つち来やりみ」

♪「あい、阿母、我達男の おれも忘れゆみ」

♪「果報す、加那阿兄 裏座も暇やり 入つち遊べし」 

和訳

♪美里村の伊波の金細工の いい加減な加那兄 したことは ※ハヤシ

♪辻(遊郭)の時の真牛(遊女の名)は 島の青年達に 宣伝もしないのに
引っ張りだこだった

♪あの加那兄 一月三十日になるまでの 私の身受金は どうしてくれますか

♪心配するな真牛 親に譲ってもらった 鞴(フイゴ)もある 金床もある

 これを売って アンマーに金を返す

♪それからようようと 上泊に鍛冶屋(加那兄)は着いた

♪鞴を買って下さい 金床を買って下さい そんなことをしたって
買ってくれる人は一人もいない

♪そうこう言っているうちに 泊高橋に着いた 

♪さう真牛 君やここで煙草でもやってなさい 私はあそこへ行って
俵一杯の金を借りてこよう

♪そこに行っても いい加減な加那兄は 嘘つきだからと言って金を
貸す人はいない

♪さあ真牛 私は男だ 泊高橋から飛び降りよう

♪ちょっと待って加那兄 さる3月3日 3貫模合をとってあるから
 その金でアンマーに返せばいいよ

♪さすが真牛 なかなか手回しがよいぞ

♪そうこうしているうちに 西武門(ニシンジョウ)に着いた

♪さあ加那兄 この町屋(店)にあるタマゴ包とお金もって
先に行ってなさい

♪そうこう言っているうちに 時の門に着いてしまった

♪ごめんください 誰ですか ここの真牛を連れてきたよ

♪よくも加那兄 ひと月30日で私の真牛をこんなに瘠せさせて

♪なにを言うアンマー あなたの真牛は さる3月からこんなんだった
じゃないか

♪加那兄 それはよいけれど 島の土産と真牛に見受金は 持ってきたのか

♪さすがアンマー 私は男だ そういうことを遅れるはずがない

♪ありがたい加那兄 裏座(遊郭部屋)も暇だから 入って遊びなさい

 (和訳はネット「ちむぐくる」から紹介させてもらった)

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