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2012年12月19日 (水)

宮古島探訪、池間島

池間島

 宮古島の北端に、池間島がある。池間大橋でつながっている。橋は長さ1773㍍ある。エメラルドグリーンの美(チュ)ら海の上にかかる。「橋はもう成人式を迎えたよ」。グラスボートに乗ると、船長さんが教えてくれた。開通して20年になるのだ。

 島は周囲12キロ㍍ある。宮古諸島の中でも、独特の言語や民俗があり、「池間民族」という言葉さえある。

013               池間大橋

先日、宮古島の神歌、古謡を追った映画「スケッチ・オブ・ミャーク」を見た際、池間島の由緒ある大主御獄(ウバルズウタキ)での祈願の様子が描かれていて、興味深かった。訪れてみたいと思った。でも船長さんに聞くと「あの御獄は入れないよ。よその人だけでなく、地元の人間も普段は入れない」という。それだけ、神聖な場所というか、大切な聖域なのだろう。

狭い池間島からは、その昔、伊良部(イラブ)島に移住して開拓した歴史がある。

耕地は限りがあるので、南方の対岸にある伊良部島佐良浜(サラハマ)に、何回か「島分け」(分村)、移住して新しい村をつくった。だから、池間添、前里添など、池間の地名を付けたところがあるという。

011
          西平安名崎から池間大橋と池間島を望む

「池間の主」という古くから歌われている民謡がある。歌詞が面白い。和訳で紹介する。

♪大きな太陽と月は上がってくるのは一つのところから、私たちの主と親母(奥さん)との思いは一つ

♪池間の主は、首里大屋子(島の頭職)になり、池間目差(役人)は池間の主になる。やさしい武佐親(ムサオヤ、役人の子の名)は間もなく目差になるだろう

♪池間の主は金持ちで、驚くばかりの富貴だ。母屋も台所も造られ、俵を積み上げている

♪池間の主はたくさんの荷物を積める頑丈な船を持つ。船子を数えてみたら7名もいた

♪私も池間の主だったら、離れ島の領主だったら、池間の主の宿にいる賄い女、ミガガマの料理を食べてみたい

♪実家にいたころのミガガマは、花咲いて美しかったかれど、大親の家に行ったら

灰かぶりの猫みたいだ

♪灰かぶりの猫だろうと、灰かぶりの犬だろうと、大親主の心に従っていればよい

 平良重信著『解説付宮古民謡集』を参考にした。

歌い初めは、池間の主や役人らを褒め称えている。だが、池間の主から可愛がられている賄い女ミガガマを、実家にいたころは花咲いていたのに「灰かぶりの猫」になったとからかっている。

池間の主に寵愛されるミガガマを、周囲の若い娘たちがうらやんでこの歌になっているという見方がある。でも、役人の賄い女は、役人の任期が終わり帰ってしまうと捨てられる宿命にある。

『沖縄県の歴史散歩』では、「役人の妾などにはなるなよ。任期が終わって帰ってしまったら、宿付メガカマは灰まみれのみすぼらしいネコになるぞ」と歌い、「役人への直接の罵倒を避けながら、風刺のきいた反骨のリズムを高らかにぶつけている」歌だと解釈している。私的には、後者の解釈の方に説得力を感じる。

016

 宮古島には、「アララガマ精神」がある。つらいことや困難があっても「ナニクソ」と立ち上がる精神である。だから、権力の理不尽な振る舞いに対して、ただ嘆き悲しむのではなく、反骨や風刺、不服従や抵抗でこたえる精神が根付いている。人頭税廃止のたたかいは、その典型である。民謡にもそれを反映する曲がいくつもある。

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コメント

アキアキさん、毎回更新を楽しみにしています。
来月に宮古島に行くので、
今回の宮古島編は特に興味深く読ませていただいております。

ピースオレンジさん。コメントありがとうございました。
私の見たのは、ごく一部でしたんで、ゆっくり見て、楽しんでください。

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