無料ブログはココログ

« 宮古島探訪、大川(ウプカー) | トップページ | アルテで「命口説」を歌う »

2012年12月14日 (金)

宮古島探訪、プトゥラガー、大和井

井泉を訪ねる、その2。プトゥラガーと大和井

 大川のそばに「大和井」の案内板があった。実はこの場所には、二つの井泉がある。その一つが「プトゥラガー」。自然のウリガー(洞井)である。ウリガーは、一般には上り下りの通路に石段を設ける程度で、多くは自然のまま利用しているという。

065

 「プトゥラガー」もその一つで、洞穴の階段を下りると水が湧く場所である。ここは、一般の庶民が使用した井泉である。068


 王府時代は、琉球社会は役人・士族と一般平民という階級に分かれていた。この井泉は庶民が使い、大和井は、庶民には使わせなかった井泉である。

069

 大和井

 「プトゥラガー」から右方向に行くと、大和井(ヤマトガー)がある。1720年ごろに掘られたと考えられている。井戸の周りには、大小の切り石を円形に積上げてあり、上り下りの通路にも石段が設けられえいる。かなり深い井戸だ。072_2

 伝承によれば、「在番役人や頭などごく一部の上層役人たちだけが占用し、庶民には開放されなかった」という。

 かつては、井泉にいたるまでに2カ所の門があって、水守りがいたという言い伝えがある。それにしても、門番を置いて見張っていたとは、いかにも役人が威張っていた王府時代の権威主義的な対応である。076

 別の言い伝えもある。「伝承によれば、その工事の功労者と目される人物は役人の手で殺されたという。人民の力の結集に対する支配層の恐れがそうさせたのであろうか」。『沖縄県の歴史散歩』は、このように記述している。

案内板は「南島の人々と水とのかかわりあい、石工技術の見事さを示す石造遺跡として類例がないものである」とのべている。おそらく、これだけの見事な石積みの井泉は宮古島では他にないのだろう。ただし、沖縄全体を見れば、首里など、同規模の石積みの井泉はいくつかある。071_2

 それにしても、宮古に派遣されていた王府役人は、大和人というわけではない。それなのになぜ「大和井」と呼ばれるのだろうか。「大和の名の由来は、井戸に構築に携わった者が大和人だったのか、薩摩から派遣された役人が使用した井戸という可能性もあり、興味深い」と説明板には記されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

« 宮古島探訪、大川(ウプカー) | トップページ | アルテで「命口説」を歌う »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

石工を殺す話でピンときたのは、薩摩の架橋を担当した肥後の職人のことでした。

どこの石工もさかのぼれば、あのう衆のような戦闘集団なのでしょう。戦国期の石積みの残滓は顕著ではないので、砦崩し、水脈遮断などに重宝されたはずです。
平時には、近代城郭の築城・治水工事・架橋などに技術を発揮したのでしょうか。
余談ながら、肥後加藤家が改易されたのは、かかる職人を寡占したためでしょう。

架橋技術よりも、戦時の工作能力をこそ恐れられた集団なのだと思います。
18世紀終末、薩摩の架橋に腕を発揮した岩永三五郎が奇跡的に生還したのは、刺客の仏心ゆえであった、と親に聞かされました。

それにさかのぼる時期、琉球内の石造り工事を薩摩が監督していない、などとは考えられません。石工を派遣して恩を売り、終われば殺すこと、最初から織込み済みだったのではないでしょうか。合掌。

コメントありがとうございます。
 井戸の石積みに石工を働かせながら、終われば殺すなんて残酷な話です。薩摩でも同様の話があるんですね。
 ただ、琉球は古琉球の時代から、各地のグスクでは膨大な石積みがあったけれど、城郭の石積みでは、こんな残酷な話は聞かない。
 ただ、座喜味城の築城のさいは、奄美からたくさんの人民を動員して酷使した逸話が残されています。築城した護佐丸については、奄美で泣きやまない子どもがいると「護佐丸が来るぞ」と脅すそうです。
 どこでも石積みの建造物を見ると、その陰にどんな苦労や犠牲があったのか、思い浮かべますね。
 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1384216/48326528

この記事へのトラックバック一覧です: 宮古島探訪、プトゥラガー、大和井:

« 宮古島探訪、大川(ウプカー) | トップページ | アルテで「命口説」を歌う »

最近のトラックバック

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30