新唄大賞の公開審査会を見る
沖縄民謡は、昔の曲を歌うだけではなく、新しい曲がたくさん作り続けられている。そこが、他県の民謡とは違うところだ。新しい曲のコンクールである「新唄大賞公開審査会」が沖縄市ミュージックタウン音市場で10日、開かれて初めて見に行った。
ROKの主催で今年第24回となる。始まると撮影禁止なので、その前の会場風景。
新唄大賞は30曲ほどエントリーがあり、予選を通過した16曲が出場する。初めて見に行ったのは、F&Yのフォークライブで毎月、見に行っている「ふーみ」さんが、見事予選を通過して出るからだ。
この曲は、以前ふーみさんの知人が、「こんな曲をつくりたい」と鼻歌で聞かせてくれたのを、曲として整えて、録音してあげたことがあった。知人がその曲をエントリーしたら予選を通過して、ふーみさんが出場することになった。「生き様」(イチザマ)の題名が示すように、人の生きる道を歌った曲。エントリーの16曲の多くは、恋歌や音頭が多い中で異色である。
16組がそれぞれ喉を競い合った。ふーみさんは、三線も上手く、声もよし。曲もよい。なかなかの出来栄えだ。隣に座った宮古民謡の名手、Tさんも「三線もいいし、これは上位3組に入るね」と太鼓判を押していた。
ふーみさんの後に続いた伊禮栄勝、大城クラウディアさんがまたとてもいい。この三組から大賞が出るんじゃないか、というのがTさんとのもっぱらの下馬評だった。
審査員は、10ある民謡団体の幹部、沖縄三線音楽研究者、ラジオ沖縄社長の12人。審査の結果、ペールー出身の沖縄系3世のLUCY(ルーシー)さんの「恋のヨイすら節」、歌唱賞に大城クラウディアさん「女ぬ夢」が入った。ふーみさんは残念ながら、入賞できなかった。でも、本選まで入ったことがすごいことだ。
ふーみさんいつもこんな風に三線を弾いている(恩納村居酒屋「なかや」で)
審査は沖縄音階を使う、歌詞はウチナーグチを使う、楽譜を見ないで歌うのが、条件になっているというけれど、実際は沖縄音階ではない曲もある。不思議なのは、大和口(共通語)の歌詞も入っていて、しかも「野菜音頭」なんか、野菜名をウチナーグチではなく、大和口で歌っているのに、作詞賞に選ばれたりしたこと。すっきりしない感じが残った。
審査の時間、昨年大賞をとった伊藤幸太さんが昨年の受賞曲をはじめ八重山民謡を6、7曲歌った。伊藤さんは、大工哲弘さんの弟子。伊藤さんとおなじ弟子仲間の杉田園さんも登場して、伊藤さんと掛け合いで歌三線を披露した。八重山民謡を堪能できた。
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