まやかしの米軍施設返還計画
「こんなまやかしには、県民は騙されないよ」。思わずそんな言葉が口に出た。日米両政府が嘉手納基地より南の米軍6施設・区域の返還・統合計画に合意したと大々的に報じられたからだ。
まやかしの1。返還といっても、すべて県内移設が条件になっていること。
まやかしの2。返還年次を明らかにしたといっても、「2022年度またはその後(普天間飛行場)」とか、多くが「25年度またはその後」などとされている。「以降」とか「またはその後」といえば、限りなく引き伸ばし可能である。期限がないのと同じだ。
まやかしの3。負担軽減といっても、辺野古新基地建設など基地の拡充・強化となる。
まやかしの4。那覇軍港はすでに40年前に返還が決められている。すでにほとんど使われず遊休化している。本来はもう返還されているべきもの。普天間飛行場にしても、1996年の合意で2003年返還予定だったもの。
まやかしの5。嘉手納より南は返還というけれど、那覇軍港は浦添埠頭へ移設であり、キャンプ・フォスターの最終的な返還はわずか23%で、大半は残ること。
まやかしの6。米軍施設返還を米国の恩恵のように見せかけているが、もともと沖縄の米軍基地は国際法にも違反して、勝手に土地を奪って造ったものだ。あれこれ条件をつけることがおかしい。条件なしに返すべき土地である。
これらを見ても、いくら年次を書いたとしても、実現性はない。むしろ基地の固定化につながる。
なのに、なぜこんな返還・統合計画をいまはなばなしく発表するのか。そこには、あたかも嘉手納より南の基地が返るという装いで、県民・国民をごまかし、辺野古移設を進めたいというよこしまな意図がみえみえである。
もう県民は、こんな「絵に描いた餅」を何回となく見せられている。こんなごまかしにのせられるほど、お人好しではない。
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