平和の願いこめた「廃墟の鳩」
GSバンド、ザ・タイガースのヒット曲に「廃墟の鳩」という曲がある。沖縄唯一のGSバンド「SSカンパニー」がこの頃、レパートリーに加えたので、聞くチャンスが増えた。
この曲は、1968年秋に発表された。山上路夫作詞、村井邦彦作曲・編曲。加橋かつみのソロをフィーチャーしている。当時は、ベトナム戦争が激しかった。平和のメッセージを込めたGSソングとして話題になった。
といっても、GSがブームのころは、まともに聞いていなかった。それでも、GSグループはブレイクしてテレビによく出演していた。だから、いま聞くと、ほとんどの曲は聞きおぼえがある。
ただ、「廃墟の鳩」はあまり記憶になかった。GSの曲は、当時、フォークソングに比べると、社会性のある曲は少なかった。その中では、「廃墟の鳩」は、稀なメッセージソングだったかもしれない。
当時、新曲キャンペーンで、タイガースのメンバーが全国各地に飛び立ったとき、「トッポ」こと加橋は、広島に行った。原爆ドーム付近を歩き回り、「日本最大の廃墟である原爆ドーム…」を見る。「戦争をしてはいけないという意識が、広島を暗くじめじめとした廃墟にではなく、明るい平和な町にしているのだ」と思ったそうだ(ネット「昭和の名盤・アナログ日記」)。
たしかに廃墟といえば、原爆ドーム。ただ、歌詞を見ればより普遍的な平和への願いが込められているようだ。
♪人はだれも悪いことを おぼえすぎたこの世界
きずきあげた楽園(ユートピア)は こわれさった もろくも
一羽の鳩がとんでいる 真白い鳩が
生きることのよろこびを 今こそ知る人はみな
汚れない世を この地上に
再び創るために 人はめざめた
※生きることのよろこびを 今こそ知る人はみな (二回くり返し)
沖縄戦で、全島が廃墟となった沖縄にもそのままあてはまる。SSカンパニーのリーダーでボーカルの「真ちゃん」(上写真)も、そんな思いを込めて歌っているようだ。
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