ジャワとバリのガムランを聴く
沖縄県立芸大で、インドネシアの民族音楽ガムランの演奏会があった。7月7日は七夕だから、前日に七夕演奏会ということらしい。
昨年11月の芸大祭では、バリ島のガムランだけを聴いた。今回はジャワとバリの双方が聴けるので楽しみだ。
夏の暑い日差しがやっと没したころ、演奏がスタートした。
初めはバリのガムラン。3人の踊りで始まった。アルテギターサークルのメンバーで芸大生の真由さんが出ている。衣装も踊りもあでやかで、妖艶でもある。
ガムランとは、「たたく」という言葉からきていて、すべて打楽器で演奏する。お鍋や鉄琴のような楽器を棒やハンマーで叩く。太鼓も打つ。軽快なテンポでリズミカルに打ち鳴らす。最後の曲は、激しく打ち鳴らし、大音響となる。躍動感があり、魅了される。
ガムランは踊りと演奏が分業となっていない。踊った人が次は演奏に入る。それも楽器も交代して演奏する。芸能の島と言われる沖縄でも、踊りと伴奏の地謡(ジカタ)は完全に分かれている。考えられない。スゴイ。これも厳しい練習があってのことだろう。
身体をくねらせながらの独特の舞いだ。身体全体を使うが、特に手指をかすかにふるわせたりする。繊細な表現が素晴らしい。
年に2,3回しか見られないだけに、たくさんの人たちが見に来ている。
ジャワのガムランが始まった。同じガムランでもバリとまったく異なる。曲のテンポがゆったりしている。音色も違う。叩く棒が、木の槌や柔らかいもので包んだ棒でたたく感じ。すごく柔らかな響きだ。
ジャワは踊りがない。踊り手が今回はいないのか、それともジャワはもともと踊りがないのだろうか。そのあたりはよくわからない。衣装もジャワは地味だ。
真由さんら、何人かバリに出たメンバーが、ジャワにも出ている。両方やれるとは驚きだ。
ジャワのガムランはゆったりと流れるような優雅な響きに特色がある。宮廷の音楽として発達したからだという。バリのガムランは、躍動的なリズムと音色に特徴がある。民衆の暮らしから生まれたのだろう。
三線も登場した。ガムランを演奏していた人が、今度は三線を持つ。ジャワガムランと沖縄民謡とのコラボレーション。「じんじん」(ホタルのこと)、「安里屋ユンタ」など演奏した。ガムランは、メロディ楽器がないので、歌三線がメロディを奏でる。それなりに、一体となった演奏で、違和感はない。
そういえば、ガムランと沖縄音楽では、なんか共通するものがある。それは、琉球古典音楽は、王府で発達したので優雅でゆったりしている。庶民の間で発達した民謡と踊りは、軽快なテンポの曲と踊りが多いからだ。初めて、両方の演奏を聴けて、うれしい演奏会だった。
終わった時はもう日暮れ。ガムランを演奏した中庭には、クモの巣のように糸を張り巡らしていた。これも何かの芸術作品のようだ。光を浴びて、少し糸が光っている。
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