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2013年9月13日 (金)

詩人・山之口貘の「紙の上」

山之口貘「紙の上」

 

 

 

 沖縄を代表する詩人、山之口貘(1903年9月11日―1963年7月19日)の生誕110年の今年、さまざまな企画がある。9月7日には、琉球新報社主催「貘さんありがとう」も催しがあった。

 

 すでに死後半世紀がたつ。「人々の心に生き続ける貘」「平易な言葉で地球を呼吸した詩人」(「琉球新報」10日付)と評され、愛されている。

 

 この催しでは、フォークシンガーの佐渡山豊が、貘の詩「紙の上」をギターを弾きながら歌った。これまで、ほとんど貘の詩を読んでいなかったので、改めてかれの全集の第1巻「詩集」を読んでみた。佐渡山が歌った「紙の上」を紹介する。

 

 

 紙の上

 

戦争が起きあがると

 

 飛び立つ鳥のやうに

 

 日の丸の翅(ハネ)をおしひろげそこからみんな飛び立つた

 

 

 

 一匹の詩人が紙の上にゐて
 
 群れ飛ぶ日の丸を見あげては

 

 だだ

 

 だだ と叫んでゐる

 

 発育不全の短い足 へこんだ腹 持ち上がらないでつかい頭

 

 さえづる兵器の群れをながめては

 

 だだ

 

 だだ と叫んでゐる

 

 だだ

 

 だだ と叫んでゐるが

 

 いつになつたら「戦争」が言へるのか

 

 不便な肉体

 

 どもる思想

 

 まるで砂漠にゐるやうだ

 

 インクに乾いたのどをかきむしり熱砂の上にすねかへる

 

 その一匹の大きな舌足らず

 

 だだ

 

 だだ と叫んでは

 

 飛び立つ兵器の群れをうちながめ

 

 群れ飛ぶ日の丸を見あげては

 

 だだ

 

 だだ と叫んでゐる。

 

 この詩は、1940年12月20日、刊行された『山之口詩集』の中の一篇である。日本が軍国一色に染め上げられ、戦争へこぞってなびいて行く時代である。「飛び立つ兵器の群れをうちながめ」ながら、「だだ、だだ」と叫び、あがらう詩人の精神が感じられる。

 

 佐渡山豊が旋律をつけた歌が、ユーチューブにあったので、アップしておきたい。

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