アルテで「桃売アン小」を歌う
毎月恒例の「アルテ・ミュージック・ファクトリー」で、今回は「桃売アン小」(モモウイアングヮー)を歌った。題名は、「桃売り娘」という意味である。沖縄芝居で作られた歌だと聞く。男女掛け合いの歌である。
ファクトリーの今回のテーマ「響」。「とよむ」とも読ませていた。なぜ、この曲にしたのかというと、男女掛け合いで歌うので、歌が響きあう。それに互いに思いあう男女で、愛情が響きあうという意味も兼ねて、この曲を歌いたいと思った。
ファクトリーは、今回も「南亭こったい」の落語「火焔太鼓」ではじまった。「こったい」さんは、今月大阪で開かれる社会人落語選手権に予選を突破して出場する。頑張ってほしい。
今月初めてエントリーしたなかで、なんと私と氏名の下の名前が同じ人がいた。伊禮昭洋さん。ハーモニカを3本もって「出船」など見事な演奏を披露した。 生まれも、1944年(昭和19)で私と同年の生まれだ。太平洋戦争のただなかだ。海軍記念日の生まれだから、親がこの名前にしたとか。名前にも。時代が刻まれている。
「桃売アン小」は、桃と行っても山桃のこと。かつて、今の沖縄市の山内・諸見里は有名な山桃産地で、那覇市にも売りに来たと言う。アルテの三線仲間のHさんは、山内の出身だとか。かつて山内の里山には桃山があった。でもいまは里山もなくなり、住宅地などになって、山桃はとれないそうだ。
「桃売アン小」の歌詞を紹介する。
女、桃売やい我んね サユン布買うてえくとぅ くりし着物縫やーい かなしアヒ小に
我ね 着しゆん
女、くりし着物縫やーい 着りぬ余ゆくとぅ 我身ぬ着物ぬ袖に 付きてぃ我ね着ゆん
よーわんねー
男、着物どぅ洗ゆるい 布どぅ晒するい 水や我が汲むさ 疲てぃや居らに
イェー 無蔵よ
女、くりし着物縫やーい アヒ小に着いゆくとぅ 今から後や 他所とぅ毛遊び
すな ようやー
男、誠真実ぬ 形見どぅんやりば 今からぬ後や 他所とぅ毛遊び
我ね すんなあ
女、云ちゃんどうやーイェー アヒ小
男、変わるなよ 互に
男女、親に云ち二人や 夫婦にならな 我っ達 二人
歌詞の意訳は次の通り。
女、桃を売って私は、織ったこの布を買ってあるから、それで着物を縫って、愛しい彼氏に着せさせる
女、布で着物を縫っても切れ端が残るので、私の着物の袖に付けて着るわよ、私は
男、着物を洗っているか、布を晒しているか、水汲みは私がするから、疲れていないかい、彼女よ
女、これで着物を縫ってあなたに着せるから、今から後は他所の人と夜遊びはしないでちょうだい
男、心からの愛情を込めた形見であれば、今から後は他所の人と夜遊びを、私はしないよ
女、言ったよねえあなた
男、心変わりするなよ、お互いに
男女、親に話して二人は夫婦になろうね、私たち二人は
歌ってみると、またもや高音が出なかった。 「いい歌ですね。説明があったので、歌っている時の歌詞も理解できました」とのl声がよせられた。
ツレは、ピアノで「ある愛の詩」を弾き、越智さんがトランペットを奏でてくれた。落ち着いてメリハリも聴かせた演奏だった。「とても初めて1年半の演奏とは思えない」との感想が聞かれた。
台風23号が接近したので、予定していた10月5日(土曜日)を6日(日曜日)に順延しての開催だった。日曜日だとこれない人もいてちょっとさびいいファクトリーだったが、初めての出演もあり楽しめた。
« 琉球に渡来した宝島人とは、その3 | トップページ | 連続台風通過し、夕空に三日月 »
「音楽」カテゴリの記事
- アルテで「肝がなさ節」を歌う(2014.02.10)
- アルテで「歌の道」を歌う(2014.01.13)
- アルテで「時代の流れ」を歌う(2013.12.15)
- 第30回芸能チャリティー公演で演奏(2013.11.24)
- ツレが「渚のアデリーヌ」を弾く(2013.11.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント