声楽による「トゥパラーマ」を聴く
アルテに集う音楽仲間である糸数剛、秀子夫妻が参加する声楽同好会の発表会がパレット市民劇場で開かれて聴きに行った。
素人を自称する声楽好きが、毎月2回、アルテ・ホールに集まり、安冨祖貴子先生のピアノ伴奏にのせて独唱を楽しんでいるという。多くは定年後世代のようだ。発表会は3回目になる。
糸数秀子さんの「サルビア」でスタートした。今回の聴きものは、糸数剛さんが歌う八重山の名曲「トゥパラーマ」である。
ピアノ伴奏用に特別に編曲してもらったそうだ。オペラ歌手による「トゥパラーマ」である。民謡とは歌い方が異なるが、のびやかなテノールを場内に響き渡らせた。民謡とはまた違う、味わいと魅力があった。
秀子さんの囃子も、とても高音が美しく出ていて、息も合っていた。
ハプニングが起きた。2番が終わったところで、ピアノも終わる仕草が見えたので、みんないっせいに拍手した。糸数さんは、まだまだの合図をする。そのあと3番を歌いきった。
糸数さんも初めての挑戦だったそうだ。糸数さんは糸満の古くから歌われている「ハーレー歌」のコンテストにも出て優勝した実績がある。オペラから民謡、演歌まで歌いこなす。さすがである。
2部で歌われた曲で、ちょっと注目したのは「君と旅立とう」。伴奏が始まってから「おや、なんか聴いたことがある」と思った。歌い始めると、すぐわかった。「これはtime to say goodbyeじゃないか」と思った。サラ・ブライトマンとアンドレア・ボッチェリが歌い世界的に大ヒットした。
後で調べてみると、イタリアの作曲家フランチェスコ・サルトーリが作曲し、イタリアの題名は「con te partiro」で「君と旅立とう」という意味。曲は同じで、題名が異なるだけだった。
糸数さんは2部ではオペラ「ボエーム」から「冷たき手」を歌った。糸数さんと双璧といえるのが、2部で最後に歌った花井玲子さんの「白銀の月よ」(オペラ「ルサルカ」から)。女性にしては声が低いが、この名曲を見事に表現して、「ブラボー」の声がひときわ高かった。
9人がそれぞれ、1部、2部と異なる歌を披露した。歌のレベルはバラツキがあり、中には歌詞が途切れて、もう一度やり直す人もいた。
でも、みんな音楽を愛し、とくに声楽を愛し、日ごろの練習の成果を精一杯表現しようとしている姿はすがすがしい。
1部、2部の最後には「えんどうの花」「カロ ミオ ベン」をみんなで歌った。楽しいコンサートだった。
発表会に誘ってくれた糸数さんに、ツレは花束を贈った。
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