芋けんぴのルーツ
高知の名物お菓子に芋けんぴがある。サツマイモを揚げて砂糖をからめたものだ。親類から送られてきた。高知に住んでいるときは、ごく普通のお菓子だった。沖縄に住んでいると、めったに食べない。なにか懐かしい気がする。
製造元を見ると、芋屋金次郎。前はなかった今風の名称だ。中に入っていた、チラシを見ると、日高村にあり昭和27年に先代、澁谷金次郎が「澁谷食品」を創業したとある。旧社名なら知っているし、芋けんぴで有名だった。日高村の店舗にも寄ったことがある。
なぜ高知で芋けんぴを作りだしたのか。
サツマイモが薩摩から土佐に伝わったのは江戸時代1735年。薩摩のかつお船が土佐清水に入港した時に、芋を持ってきていたという話が伝わっているという。
甘藷はもともと1604年、琉球の野國総管が中国から持ち帰った。それがのちに薩摩に伝わり、全国に広がった。
土佐でも盛んに作られるようになった。昔から、土佐人は日常食であるサツマイモを貴重な油で揚げることで、ハレの食として用いてきたという。
「芋屋金次郎」の創業者、澁谷金次郎は、戦後まもなく、揚げ菓子を作り、自転車の荷台に載せて売り歩くようになった。やがて試行錯誤を繰り返しながら、芋けんぴづくりに取り組んだという。
沖縄は、かつてはサツマイモが庶民の主食だった。いまでも夏でも冬でも焼き芋をよく食べる。JA直売所では、たくさんの種類の芋が売られていて、みんなよく食べる。
沖縄は揚げ物が大好きだから、芋の天ぷらはある。でも、芋けんぴのように、芋を揚げたお菓子はない。ただ、紅芋を使った「紅いもタルト」など、人気のお菓子になっている。
芋けんぴを食するときは、こんなルーツに思い出しながら味わいたい。
« 天空の鉄板焼きパーティー | トップページ | ブログ引っ越し »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- お詫び(2018.04.13)
- 芋けんぴのルーツ(2014.02.21)
- 天空の鉄板焼きパーティー(2014.02.19)
- おでんが美味しい「おふくろ」(2014.02.14)
- ラジオリスナーの楽しい新年会(2014.02.03)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
初めまして、随分前の記事ですが自分も高知出身沖縄在住です!
自分も芋けんぴ懐かしく思います、高知では貰って食べる事が多かったけど、沖縄ではたまに買って食べてます。
芋けんぴとポンライスを食べると故郷を思い出します。
投稿: ハリエコアイ | 2016年12月22日 (木) 19時27分
ハリエコアイさん。コメントありがとうございました。
芋けんぴは高知の味ですよね。この芋けんぴを作っている渋谷食品(旧名称)は日高村の国道沿いにあって、20年ほど前に帰った時、立ち寄ったことも思い出します。
私の知り合いの沖縄在住の高知出身者も何人かいますよ。
投稿: レキオアキアキ | 2016年12月23日 (金) 08時44分